NBRのインディペンデント映画ベスト10に選出、シカゴ映画批評家協会賞では助演女優賞(ナターシャ・リオン)を受賞するなど高く評価されている作品。監督は『フレンチ・イグジット さよならは言わずに』のアザゼル・ジェイコブス。
『ギルデッド・エイジ』のキャリー・クーン、『ワンダヴィジョン』のエリザベス・オルセン、『ポーカーフェイス』のナターシャ・リオンという強力な布陣が姉妹を演じている。このメンツだけでもう鳥肌もの。
丁寧な心理描写がとても上手い。三姉妹もそれぞれに魅力的でしっかり背景を感じさせるキャラクター造形が素晴らしい。
優れた演者もさることながら、ワンシチュエーションで持たせた脚本や演出がとても上手い。不在の父親を中心に集まった性格の異なる三姉妹、それぞれの思いや苦悩が徐々に浮かび上がっていく。
三姉妹それぞれの愛し方が愛おしい。形は違えど皆姉妹を、そして家族を愛している。家族というものの在り方を考えさせられる映画になっている。
基本部屋から出ない話であるが巧みな演者たちの力もあり全く飽きさせない。地味でアカデミー賞へのBUZZは消滅しつつある小品だが、とても優れた作品だと思った。ネトフリに入っている人は今すぐ観るべし。秀作。