犯罪と貧困が日常化した地域の小学校に赴任した教師が、型破りな授業で子どもたちを全国トップの成績に導いていく姿を、2011年のメキシコであった実話を基に映画化した本作は、誰もが内に秘めている“可能性”を見つける為に最も重要なことは何かということを感動的なストーリーで描く。
アメリカとの国境近くにあるメキシコ・マタモロスの小学校、子どもたちは麻薬や殺人といった犯罪と隣りあわせの環境で育ち、教育設備は不足し、教員は意欲のない者ばかりで、学力は国内最底辺だった。
6年生の半数以上が卒業を危ぶまれるなか、出産のため辞職した6年生の担任の代役として、マタモロス出身の教師フアレスが赴任してくる。
子どもたちはフアレスのユニークで型破りな授業を通して探究する喜びを知り、夫々の興味や才能を開花させていくが、思わぬ悲劇が彼らを襲う。
名優エウヘニオ・デルベスが「コーダ あいのうた」に続いて教師役で主演、サンダンス国際映画祭・観客賞に輝き、メキシコで映画年間興収1位を記録した国民的映画となった本作は、テストに出るかどうかより、子どもたちの素朴な疑問にこそ新たな発見が秘められているということを第一に、教育とは、教師は如何にあるべきかを我々に問い掛けていく。