見て良かった 一番の印象は「脆弱な教師が多いな」
学校、しかも小学生という小さな子どもたちを顔出しで撮影する許可を得るのは、極めて難しい中、よくここまで撮ったなと、そこは素直に監督はじめ制作陣立派だなと思った。作品としては最後まで興味を持って見られた。シーンの立て方、言葉がなくても伝わるような、絵だけで見せる編集が上手い。
自分は正直、小さい子がちょっと苦手だったりするのだが、そんな私が見ても作中の小学生達の日々の姿はただただ愛おしかった。「監督の思い」みたいなものを過剰に打ち出し過ぎず、見る者に考えながら見るスペースを残してくれてるような作りに好感が持てた。
心温まるシーンも多いものの、全体として1番強く感じた印象は、先生達、特に男性教師達の脆弱さ。教師であろうと会社員であろうと、職場で人前で泣く人って自分は信用できないっていうか、その職業としてプロじゃないなって思っちゃう。理由が何であろうと。自分が小学生のころの先生は優しい先生も厳しい先生も、いざって時、生徒を絶対守ってくれるような肝の座った強さみたいなものを子供ながらに感じてて、それは先生が絶対泣かない・泣くのを想像できないってことと、ほぼイコールだったような気がする。(余談だが、そんな先生が6年間で1回だけ泣いたのが戦争体験を語った時。一つの芋を分け合って日々をしのいだ親友が、自分の目の前で栄養失調で死んでいった話をしながら。その涙の重さは今でも覚えてる)作中の女性の先生は、人前では涙を我慢して、裏庭で一人カメラに背を向けて肩を震わす。この先生には、自分の恩師と似た匂いを感じた。泣いちゃってる男性の先生方は、彼らなりに子供たちのために尽力されてると思うが、その実、頑張ってる自分に1番の意識が向いてるように見えて、幼く脆弱に見えちゃった。(ごめんなさい)