ご本人が小学校から弾いていると語る、ドビュッシーの「月の光」は絶品。
他の曲も『フジコ・ヘミングの時間』より演奏が多くて楽しめた。
その小学校のときに使っていたピアノでの演奏を現在の小学生に聴かせるシーンは、その間にある80年の苦労や努力が忍ばれ、泣ける。
最期まで、かわいい女性だった。「フジコちゃん」だとルパン三世みたいだけど、そう呼びたい。
実弟ウルフ、愛犬アンジン、愛猫ニャンスキーと、天国で笑顔で会えたかな。

これぞ劇場鑑賞案件です🎹🎶✨
素晴らしいコンサートを聴きに行ったよう、映画と忘れて陶酔し拍手👏しそうだった。
暗転後もシートから立ち上がらない方が大勢でした、大感動🥹✨🎶

昨年、自宅階段から落ち腰椎骨折して養生している最中も、次のコンサートに意欲を燃やし続けたが、今年、4.21に天に召されたフジコ•ヘミング。92歳だった。

67歳で世の中に存在が知らしめられた遅過ぎる天才ピアニスト🎹
全世界からその死は惜しまれた、こちらは遺作となりオマージュ作品となった。
このドキュメンタリーは、2020年から4年間の演奏で訪れる国や自宅へ旅するフジコを追っている。

冒頭に語る
『人生なんて上手く行かないのが当たり前』

生い立ちから両親のことを触れ、家族の写真が沢山飾られている世界各地にある自宅（サンタモニカ、パリ、東京、京都）を紹介し、愛犬、愛猫たちとの触れ合い、その多忙な暮らしぶりを垣間見れる。ナレーションが入らず、ご本人のインタビューと少ない登場人物と音楽だけなのが良かった。

90歳を超え歩行器が必要になった。練習したくない日でも必ず毎日練習する。
そしてお洒落はフジコに取って切り離せない。着飾ることは娘の時と変わらないところが愛らしい。ヘッドドレスはフジコの定番。
ステージ衣装はオリジナルで自分で加工しているそう。舞台映えを考えて華やかさは欠かせない。
特に大正時代の絣銘仙の着物をアレンジした衣装が素敵でした✨

90歳になっても「私、恋をしてるの💕」と仄めかす。
それは指揮者のスラリとした若きイケメンのマリオ•コシックのことだ。しかし、ピアノの音色は上手くいってる時はフワフワしてよろしくないらしい。失恋した方が上手く弾けるとも言う。ピアノに向き合うしかないから。気持ちが上ずるのでなく、失恋したらその感情を音楽にもっと深く導入することになるからだろう。

疎開した祖父の実家のあった岡山へ行き、子供の頃に弾いていた学校のピアノと再会し感動する。

パリ、コンセルヴァトワール劇場でのコンサートで弾く「ラ•カンパネラ」のなんたる圧倒😢
他にも「別れの曲」「月の光」「亡き王女のためのパヴァーヌ」「英雄ポロネーズ」「黒鍵のエチュード」「ノクターン」「幻想即興曲」他

生演奏を聴く機会がなく、NHKのドキュメンタリーでは知っていたが、この作品はまさに集大成として相応しい🎵

『どんなハンデや苦しみがあっても、人を愛することで生きていける』
強いフジコの人生観だが沁み入って泣けた✨✨✨


撮影中に愛犬も愛猫もそして弟の大月ウルフさんも亡くなってしまう。なにか自分も死を覚悟しているようでもあった。今は天国で楽しく過ごしているでしょう、素晴らしい音色をありがとうございました💗

大好きなフジコ・ヘミング。何度かコンサートに行った。
90歳を超えても素敵な演奏を聞かせてくれた。
前作に続き、2020年から4年間のドキュメンタリー。

戦後の疎開先での思い出やその頃弾いたピアノでの演奏会。
こんなコンサートを最後に開きたいと言ったパリでの演奏会。
東京やパリの家での犬や猫たちとの暮らし。

演奏の合間のトークがたまらなく愛らしい。
最期まで自分らしい人生を生き抜いて世界を魅了した。
いつか終わりの来る人生、ピアノを弾く日々が彼女の人生そのもの。同じ時代を生きたことに感謝。

演奏もたくさんあるので劇場で観るのがオススメ。