夢の国に隣接する映画館で精神的ダメージが強い今作鑑賞してまいりました。館の外とはまるで別世界な内容。こんな救われない内容が実話を元にしていると冒頭テロップで初めて知りました。
薬と売りでどん底の女性杏が、刑事多々羅と記者の桐野と知り合い更生していく内容。と思いきや・・・。
全く先が読めない感じで進むのでずっとハラハラしてました。
多々羅みたいな刑事が居たらそりゃ杏もちゃんと自分を見つめ直すだろうと思ったのに、あの展開はちょっとショックだったし実話が元という事は本当にそんなことがあったのだろうかと考えてしまいます。
杏の母親があからさまなクソ人間なのもきついですが、多々羅のそのオチはもっときつかったです。
更生していく杏へ次から次と襲う試練は、もうどうか勘弁してほしいと思うほどです。それが人からくるものならばまだ何とかなりそうですが、コロナ過なんて人が容易に対応できない事象には、何でそこまでと怒りすら覚えます。
信じたものからの裏切りみたいなものが、杏へ追い打ちをかけるのではと思う矢先に幼児ハヤトの存在は杏の唯一の生きがいだったのではと思いました。
実際コロナ過で一番ひどい状況の中、在宅勤務の連日で昼休みに息抜きに江戸川を訪れた際、偶然見かけたブルーインパルスに思わず涙が込み上げてきたのですが、それはこの状況で皆に元気と希望を与えてくれたと思う涙でした。今作で部屋の中からブルーインパルスを見た杏は何を思ったのか。そのあとの杏の行動がやり切れません。
更生しようとするタイミングで髪を短く切った杏演じる河合優実さんが、金八先生出演時の上戸彩さんにそっくりでした。若い時の山口百恵さんにも似てるんですよね。それにしても素晴らしい演技でした。
