アクションと笑いが絶妙に絡み合ったエンタメ作でありながら、現代社会の問題にも鋭く切り込む痛快な一本。原作は大人気WEB漫画ということで、コメディタッチの軽快さと、漫画的な誇張が映像でもしっかり生きています。
主人公のシミンを演じるヘソンちゃんは、非正規雇用の教師として高校に赴任するものの、そこはスガン(JUN)の暴力で支配された「戦場」。一見平凡そうなシミンですが、その正体は元女子ボクシング王者にして格闘技の達人。彼女が「猫のマスク」をかぶり、「ニャーオ😺」と登場するところや、正体を隠しながら繰り広げる戦いには、スカッとするカタルシスがたっぷり詰まっています。
映画の見どころは、何と言ってもシミンとスガンの激突。スガン役のJUNは、セレブの傲慢さと狂気を見事に体現し、ヘソンちゃん演じるシミンとの対決がどんどんエスカレートしていく展開にハラハラしっぱなし。コミカルなやり取りの中にも、権力や暴力がもたらす不条理さが浮かび上がり、ただのエンタメに終わらない深みを持っています。
アクションシーンも文句なし。シミンの拳ひとつで悪に立ち向かう姿は爽快そのもの。加えて言うならシミンは元ボクサーとはいえ、圧倒的に強いわけじゃないのがいい。相手は自分より体格がいいうえ格闘慣れしてる男子。シミンがボコボコに殴られたり蹴られたりしながらも最後まで諦めずに戦う姿は、応援せずにいられなくなる。というかスガンをボッコボコにぶちのめしてほしくてたまらなくなり、自分も拳を握りしめてしまうくらい、憎たらしい男子高校生を演じてるJUNの演技力(高校生に見えるかどうかはさておき😂)も素晴らしいってこと👍
また、単なる「正義のヒーロー」ではなく、非正規雇用や現代社会の不平等といった現実的な問題に触れながら、それでも人を守りたいというシミンの心の葛藤が描かれているのも見どころの一つ。「見て見ぬふり」をしてしまう弱さに共感しつつも、「勇気を持って立ち上がる」というメッセージが力強く胸に響きます。
笑いあり、涙あり、アクションあり。観終わった後に心に残る作品でした。