映画は忙しい現代人に優しい芸術

ディア・ファミリーの映画は忙しい現代人に優しい芸術のレビュー・感想・評価

ディア・ファミリー(2024年製作の映画)
3.5
無茶苦茶いい映画だし実話だし、後世に残すべき人の【正】としての姿と、強くて美しい家族の形でした。

目の前の死を待つだけの娘に、無力で悔いある生き方を選択せず、辛くても強く強くあり続けた家族とその当事者が多くの命を救った実話!

実話!

もうコレが強すぎる笑


スーパー父ちゃんの大泉洋とその父を支える家族達。次女もこの家族だったからこそ強く生き続けた。最後まで命を燃やしたって姿がもう泣けるんだなぁこれが

終始泣き泣き泣きなのです

これはスーパー家族の次女を生かしたいという強い気持ちに、観客が同じ目線に立ち次女をどうにか救いたいと思えたからの涙だなぁと思いながら鑑賞。



しかし、

あーもう、

本当に私という陰湿人間は…

実話ですし、この家族が幸せになってくれて心からちゃんと報われて良かったと思ってます。



が、

あーもう、

本当に私という…














借金もあった会社を継いでも、ちゃんと借金返済も出来る程のパワー系大黒柱強靭メンタル父ちゃんと、その無茶苦茶であろう父ちゃんを支える母ちゃん。この人達はメンタルも生きる術も凄いし、全くこの人達のせいではないのですが

やっぱり金持ちが救われる世界やんけと。

何故かこの映画を見ながら、トー横キッズたちの錠剤パーティとかが脳内で流れて、家庭環境は分からんけど、生きたくない若者達と、生きたいのに生きられない子、なんでなんと思ってしまった。
自分の為に必死に生きてくれる人がいるかいないか。そこに手を伸ばせるか伸ばせないか。何で、こんなにも前向きでひたすらに泥臭くても【生きる】ことを肯定されると吐き気がするんやろうか。


思ったよりも若い子たちが見ていて、隣の席の女の子2人組の1人が「よんちゃんと心臓交換してあげたかった」って言った瞬間に、私は何か、この映画が誰かを救うカケラになる可能性と、殺す可能性を感じてしまった。

あー、キラキラ幸せハッピー家族(思い合える関係性を築けている集団)にどうか私のような陰湿人間が近寄りませんように。

自分病んでなあーと思いながら、よんちゃんとその家族のおかげで救われた人達がずっと幸せに生きて欲しいと思わずにいられない。