GyG

MONTEREY POP モンタレー・ポップのGyGのレビュー・感想・評価

4.1
☆音楽的に
本作は、音楽形式のうねりを一つ越えた最初の音楽をコンパクトに収めていると思います。
”うねり”とは、レコード会社が企画をして売り出す方式から、自分たちで作詞作曲をし歌う手作りスタイルになった”移行期”的な意味です。
前者はいわゆるロカビリーやロックンロールなどのポピュラー音楽で、それ以降はロックが主流になっています。
本作で流れる曲を聴くと、激しさをますベトナム戦争への抗議や自然のままで生きたいという希求を表現するにはロックしかなかったのですね。
モンタレーとウッドストックが直線的につながっているのをみると、そう考えざるをえません。
説明になっているかどうかわかりませんが(^-^;)
補記 
ジミヘンのWild Thingに当時大流行していたシナトラ”夜のストレンジャー”のワンフレーズが入り込んでいます。ずいぶん冒険的です。アメリカへ帰順したほどの意味があるのかもしれません。

☆映像的に
寄せ・引きといったハデな撮影テクは採らず、ショルダーカメラの一人称的視点でオブジェ中心にベタで撮る、今とは逆の「盛らない」撮り方しており、画質も荒くコンポラ的で、編集もチョン切り的です。
ミニマリズムなんでしょう。
ジョナス・メカスと同じ時代の人なんだと思いました。
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