元空手部

ラストマイルの元空手部のレビュー・感想・評価

ラストマイル(2024年製作の映画)
4.0
走ったりトラックで移動したりといった、全体を通して移動ショットやシーンが短めに描写されており、本作における物流はポイント同士の点と点に近い関係に省略されている。劇中を通じて、時間的経過に伴う空間的拡張がほとんどない。これは距離感が埋没しているとも言い換えられる。隣り合う関係から導き出される距離が映画の中で見えないという点でだ。
これにより、物流の上意下達式のシステムとは異なるホーリズム的なつながりが生まれる。どの要因もトリガーとなりうる均等な関係だ。
また、仕掛けられる爆弾も次元式ではなく、時間的制約が曖昧な代物だ。これにより、タイムリミットに措定された緊迫感も薄い。最後の救出劇も足早に終わるし、サスペンスとして見ると結構異質な作品だ。
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