「シビル・ウォー アメリカ最後の日」TOHO錦糸町オリナスで鑑賞。
大好きなアレックス・ガーランド監督、A24製作のヘンテコでシニカルな作品だが、美しい映像と激しい戦争描写に没頭でき、かなり楽しめた!
連邦政府から19の州が離脱したアメリカにてテキサス州とカリフォルニア州の同盟からなる「西部勢力」と政府軍の間で内戦が勃発し、各地で激しい武力衝突が発生中。就任3期目に突入した独裁的な大統領は勝利が近いことをテレビ演説で訴える。4人のジャーナリストたちは大統領に単独インタビューを行うべく、ニューヨークからホワイトハウスを目指して旅に出るが、内戦が最も酷かったのはワシントンD.C.であり、彼らは戦争の最前線に乗り込むのだが…。
米国同士が殺し合う"内戦"の愚かさを描きつつも、超格好良い画面デザインと編集も素晴らしいが、悲劇を敢えて超ノリノリの音楽で演出するシニカルな演出、視点は英国人監督ならではのもの。
2人の戦場カメラマンにベテランと新人をキャスティングする意図も面白い。
戦場カメラマンを主人公に設定する事で、我々一般市民視点で内戦の最前線を体感できるような映画になっているのは実にお見事。
序盤、若手カメラマン志望の女性ジェシー(ケイリー・スピーニー)はヘタレで怯えてたのに、終盤には見事な行動力で大統領執務室へ乗り込むあの勇敢さは、ベテラン女性カメラマン、リー・スミス(キルステン・ダンスト)とは対照的で強く印象に残る。終盤になって急にヘタレになるリーさん、あれはPTSDを発症した描写なんだろうねぇ…
アメリカ合衆国の”分断”をこれ以上は助長しない設定意図も感じる。(言ってしまえば、アメリカは単なる州の集合体の国家であり、ずっと前から分断されたまま)
終盤の戦争描写は驚くほどに臨場感があり結構怖かった(撮影はジョージア州アトランタ周辺)
ラスト、ワシントンD.C.で大統領執務室に乗り込むシーケンスでの、あの結末は個人的にはハッピーエンドだと思う。
アメリカ合衆国の分断はこの先もずっと変わらない。アレックス・ガーランド監督らしく実にシニカルな視点が美しくも臨場感たっぷりに映像化されていた。
個人的にはケイリー・スピーニー萌えの映画でもありました。大量の死体に慄いたり、若気の至りで走行中の車に飛び移ったり、あの恐怖体験の直後、車中で勢いよくゲロ吐いたり🤮…「エイリアン:ロムルス」での主演としての活躍も素晴らしかったし、画面から目が離せないほど魅力的だった。
エイリアン:ロムルスの感想
https://filmarks.com/movies/114886/reviews/182100370
(雑記)
米国より6ヶ月遅れで日本公開、11月の米国大統領選挙に合わせたような日本公開は遅すぎるし、そんな公開日程に意味はあるの?配給のハピネットファントムのお金、力の無さが指摘されてるが、何とかならないのか?洋画ファンとして哀しいものがある🫤…