みかんぼうや

シビル・ウォー アメリカ最後の日のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

3.8
つい先日まで劇場に観に行こうか迷っていた作品がもうアマプラに!しかも無料!最近の新作の配信の早さにただただ驚かされる。

「もしもアメリカで内紛が起きたら?」という架空の設定を戦場ジャーナリスト視点で描く本作。「もしも」ではあるが、ここ数年間のアメリカ大統領選挙における民主党と共和党支持者のぶつかり合いなどを見ていると、「こんなこと絶対に起こり得ない」とも言い切れない現状自体が怖い。

映画の内容は、作品そのもののメッセージが今のアメリカの状況を考えると非常に皮肉的である上に、常にハラハラさせられる緊張感と戦争映画的戦闘シーンの迫力により、常に締まりがあって面白かった。

ただ、もうちょっと政治的思想のぶつかり合いやこうなってしまった背景、政府軍と西部勢力の人物たちの感情描写などがディープに描かれると思っていたが、そのあたりは薄めで、個人的な印象としてはTVドラマの「ウォーキングデッド」のように荒廃したアメリカでお互いが生き延びるために殺し合いをしている、という印象が強かったのも事実で、期待していた内容とは若干ズレがあった。

とはいえ、終始緊張感も集中力も切れることなく、一気に観終わってしまう作品への没入感で、期待どおりの面白い作品でした。
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