【相対主義の良さ】
ベルリン映画祭で脚本賞にノミネートされるなど世界的に話題になった作品だ。
この映画「セカンド・ステップ」のフライヤーに書いてある”悩める大人への人生讃歌”や”人生もっとわがままに”というキャッチコピーは悪いわけではないが、この作品は、この二人の物語を通してもっと多くのことを語りかけているような気がするのは、僕だけじゃないと思う。
2019年のNetflix作品「ふたりのローマ教皇」でローマ教皇が、同性愛など時代とともに変化する価値観に向き合い、それを受け入れざるを得ないと理解していても、ローマ・カトリックの宗教的絶対的価値が”相対主義”に陥ってしまうのではないかとの不安を口にする場面がある。
この「セカンド・ステップ」に多く描かれるのは相対主義だ。
昔ながらの思い込みや、ユダヤ教の教えを、個人の習い事の進捗状況や、時代と共に変わった価値観などでちょっと変えてみて、見えてくるものは絶対にあるのだということだ。
ユダヤ教の教えでさえもそうなのだ。
そんな窮屈にも見える、変えたって良いものはきっと世の中には沢山あるに違いない。
この2人のやり取りは、何かを示唆している。
伝統な教えを維持しながらも変化し前進することは出来る。
ガザでの過剰な戦闘行為だってやめられるかもしれない。
宗教的価値を盾に無駄に人の命を奪っている紛争もそうだ。
この2人をスコープにいろんなことが考えられる気がする。
ノスタルジックな映像も心地良い。
興味のある人は是非!