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劇場版 名探偵ホームズ デジタルリマスター版のsomaddesignのレビュー・感想・評価

5.0
令和の2024年に劇場で宮崎駿の「名探偵ホームズ」が見られるとは!

Filmarksの名作発掘企画Filmarks Recommendの第一弾。上映40周年を記念したデジタルリマスター版らしい。とてもありがたい。

「ナウシカ」併映版の「青い紅玉」と「海底の財宝」、「ラピュタ」併映版の「ミセス・ハドソン人質事件」「ドーバー海峡の大空中戦!」の4編一気見。ホームズやワトソンと同じくらいハドソン夫人の活躍が見られるエピソードばかりで、眼福がすぎる。みんな大好きハドソン夫人。アニメシリーズのOPで、おっとり美人のヒロインに見せかけて、誰よりも勇敢で作中イチカッコイイキャラが暗示されるのも好き。

映画館でダ・カーポのOP/EDが聴けたのも貴重だし、映画館の音響の良さも相まってか、うっかり涙出そうになった。

エンドロールを眺めてたら、(子供の頃には分からなかったけど)アニメに疎い自分ですら知ってるレジェンドの名前の数々。
作画監督・キャラクターデザインに近藤喜文、美術監督に山本ニ三、原画に田中敦子・高坂希太郎…。なかでも、のちに「この世界の片隅に」を作る若き日の片渕須直監督も脚本で参加されてて驚いた。片渕監督のデビュー作で、演出補も務められたとか。

今作の復習にあたって、劇場版で声優が違うとか、シャーロック→シャーベック モリアーティ教授→モロアッチ教授 といった改変されてる謎が解けた。まさか第二次世界大戦が関係してるとはね。
そもそもイタリアのテレビ局から東京ムービー新社が請け負いで作られたアニメだったのも知らなかったし、宮崎アニメだと思ってたら宮崎駿が監督したのは劇場版の他は6編だけだったり、改めて調べると発見があって楽しかった。

24年現在からみると、のちのジブリの萌芽を感じるような、宮崎駿のミリタリー好きの一方、軍人や戦争への嫌悪感も透けて見えるよう。

21本目
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