2023~24年のサブカル界をメディアミックスで席巻したコンテンツ【推しの子】の総フィナーレとなる劇場用映画。praime videoドラマ全8話に続く完結編。監督はドラマシリーズと同じくMV出身のスミス。主演はミスチル桜井和寿の息子、櫻井海音(23歳)。
アイドル推し、ネット炎上、芸能界の性被害など、時代背景を取り込んでうまくエンターテイメントに仕上げていた。キャスティングも漫画実写化のハードルをクリアし話題性もバランス良くハマっていた。性被害が問題化した元ジャニーズ事務所の二宮和也が、性被害によって歪んだサイコパスの役を演じたのも大きな注目点と言える。
先月、原作漫画の最終回を気に入らない向きが炎上騒ぎを起こしていたが、映画の落としどころは漫画から改変されていた。少々急ぎ足なのが惜しいとはいえ腑に落ちる作りにはなっていたと思う。
それにしても、ネットの暴走に警鐘を鳴らした原作の愛読者が、その最終回に対して炎上騒ぎを起こしているのは皮肉な喜劇だ。総じて、現在という時代を体現した作品であることは間違いないだろう。