【第74回ベルリン映画祭 金熊賞】
『アトランティックス』が高い評価を得たマティ・ディオップ監督のドキュメンタリー映画。ベルリン映画祭コンペに出品され、金熊賞を受賞した。
東京国際映画祭で一応観たんだけど寝てしまったのでMUBIで再鑑賞。変換される美術品をめぐるドキュメンタリーで、普通によく出来ていて感心した。美術品自体に語らせるという変わった切り口、現地の人々の返還美術品についての議論といったものを力強く構成している。
非常に意義深いドキュメンタリーであり、植民地としてのベナンのアイデンティティーをも問う深い内容になっていた。美術品にどんな意義があるのか、そして今後どんな意味を持たせるのかという問いについて議論していくのが興味深い。
ディオップ監督の落ち着いた語り口がとてもよく、金熊賞をとった意味がよく分かる。一ドキュメンタリーとして非常に優れているし、ディオップ監督作としても重要な作品になっている。