ワンコ

ツイスターズのワンコのレビュー・感想・評価

ツイスターズ(2024年製作の映画)
4.4
【アメリカのグルグル🌀🌀🌀🌪️🌪️🌪️】

多少の出来すぎ感はあると思うけれども、自然災害パニック映画としては好感度の持てる作品だった。

韓国映画のような意図してなのか、バカなのか逆張りのような行動をするキャラクターは出てこない😛

代わりにと言うのも変だが、科学者としての使命感と、同時に存在するエゴ、過去の苦い記憶、そして、災害から人々を救出しなくてはならないと云う本来備わっていた気持ちなどが複雑に散りばめられて、災害にどう向き合うべきなのか問いかけているようにも思える。

アメリカの自然災害パニック映画と言えば、竜巻と森林火災が二大巨頭だと思うが、日本も台風や豪雨に対して同様で、時代を経る毎に社会や人々の自然災害に対するレジリエンスは高まっているように思う。

レジリエンスとは、何か障害やアクシデントで被害があっても、柔軟に且つ力強く復元する能力のことだが、こうした災害から復興したいという人々の願いや、インフラを含めて強い社会システムを構築しようとする意思、専門家の知見や経験、技術の進歩、政治の力などが合わさって高められてきたのだと思う。

この映画「ツイスターズ」では、更に適応して対処出来ないか登場人物たちが模索する姿が描かれるのだけれども、もうひとつ、映画に登場する何人かの口から寄せられるように竜巻の数が昔より増えているのだ。

この作品がもうひとつ掲げているのは、このことを人々に考えて欲しいと云うことじゃないか。

人々の努力や備えで社会の自然災害に対するレジリエンスは高められたが、どこかに限界はあるのだと。
そして、可能であるならば、それを減らすことが出来るような努力をしなくてはならないのではないのかと。

温暖化が原因で増えた竜巻という自然災害パニックと、主人公は女性というアメリカの大統領選挙を前にしたトランプや共和党保守のパターナリズムに対する皮肉も多分に含んだ映画のような気がする。

お決まりの恋愛を絡めたエンディングもあるし、それに空港の道路を””ドリル・ベイビー・ドリル”しちゃダメだよね。

ちなみに「ドリル・ベイビー・ドリル」とはトランプの安価にエネルギーを消費するために石油を”掘って掘って堀りまくれ”っていう掛け声のことだ。
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