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正義の行方
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『正義の行方』に投稿された感想・評価

オォー!これ程までに完成度の高いドキュメンタリーとの出会いに感謝です。
158分間、見事なまでに緊張感が持続されて、ベストな編集に感心しましたよ。
最期の最期まで自白を得られぬまま、判決から異例の早さで死刑執行がなされた「飯塚事件」。警察✕弁護団✕記者の言葉は、限りなくフラットに私たちに呈示されるのです。
「疑わしきは罰せず」と言う司法の鉄則は結果的に履行されず、まだ未熟であったDNA型鑑定や、当時の警察機構や、社会風土が悲劇に悲劇を重ねてしまったのか?
“どちらか”は謎のままだが、このザワついた思いは何かを間違えた可能性は十分に感じさせるのです。少なくとも現代ならあの流れで死刑執行はあり得ない気はします。
被害者、加害者、そしてもしかしたら二次的な被害者を考える、重苦しくも貴重な価値ある時間でした。悲惨な事件の被害者や遺族の無念は当然として、少しでもそれに応えることが出来ていない苦悩は、周りの人々も波及し今も尚続いているなんて・・・。
1992年に福岡県飯塚市で発生した2人の女の子が行方不明となり、殺害された飯塚事件。この作品は、2022年4月にNHKが製作した「正義の行方 飯塚事件30年後の迷宮」を劇場再編集版。
死刑執行後、再審査請求がされた裁判を、警察側、被害者側、報道側をそれぞれ取材されたドキュメンタリー。ただ、現在も係争中であり、また、DNA型鑑定の証拠能力についての問題はありつつも、冤罪とは裁判所は認定していない。ただ、足利事件のように冤罪であると認定がされたものではないので、最後までみても、落ち着かない。作品の中で、有罪にする証拠能力の話を新聞記者が語るシーンが、法律家では記者なので、腑に落ちない創りになっていて、ドキュメンタリーとして、もう少し客観的で法的な創りにして欲しかったが、NHKゆえにできなかったのだろうか。
2024年5月12日@京都シネマ
5.0
【ここから考察すること】

(記録。この作品公開後の2024年6月5日、福岡地裁は再審請求を認めなかった。弁護団は即時抗告。)

上映後監督の舞台挨拶があった。

ゴールデンウィークあけ、それほど遠くないうちに第二次再審請求の結論がでるらしいと言っていた。

そして、新証言として三叉路の目撃について……これはレビューの後半に。

映画の中で様々なことをお話しされる元県警の刑事部長さんが、監督に、作品は偏ることなく構成されていたとコメントしていたらしい。

僕も映画を観ながら同様に感じていた。

また、既に刑が執行された久間(くま)さんに対する偏見などが、当時の西日本新聞にはあって、報道を通じて世論形成もなされた可能性や、あくまでも、もしかしたら…という仮定の話になるのだが、それが捜査や鑑定にも影響したんじゃないのかと、人の思い込みとは怖いし、裁判員裁判の懸念点でもあるなと考えたりした。

この事件報道を自ら再検証しようとした西日本新聞の姿勢は評価するべきだし、ともすれば冤罪だとの決めつけで悪者になりがちな県警の捜査サイドが、きっちりと証拠を積み重ねた結果だとして、堂々と取材に応じた姿勢にも感服する。

それに、久間さんの為人(ひととなり)についてはほぼ触れられることはない。

ここに違和感を感じる人もいるように想像するが、おそらく作品を観る人に先入観を植え付けないという意図があるのだろう。

弁護側が第二次再審請求に至ったのは、三叉路の目撃証言について、この映画には登場しない別の捜査官が、「あなたの目撃したと思っている日付は間違いで、日付は事件当日だ」と念押しされたことによるものだと証言が取れたことによるものらしい。
誘導尋問ということだ。

当時のDNA鑑定の精度の低さ、さはさりながら、最先端の鑑定を導入することに突き進む警察庁、曖昧な目撃証言、それにきっとあったであろう久間さんの為人による偏見、久間さんが犯人に違いないと思わせるような報道もきっとその為人についての取材が影響したからではないのか、そして、メディアによる世論形成への影響と、もしかしたらあったかもしれない捜査や鑑定への影響。

だがしかし、本当に考えるべきは、死刑制度には冤罪を100%防ぐ手立てはないことと、こうした刑が執行されたら取り返しがつかないこと、その上で、死刑制度をどう考えるのか議論する時期が日本にも来ているような気がすることだ。

EUやアメリカでも複数の州は既に死刑を禁じている。

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