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DOG DAYS 君といつまでものワンコのレビュー・感想・評価

DOG DAYS 君といつまでも(2024年製作の映画)
4.3
【Human Days】

Dog Daysなんて言うが、実は、Human Daysのことじゃないのか。

犬の日々を考えることで、実は自分たちの日々を考えることも出来るのだ。

今は休止中だが、僕は30年以上犬を飼っていたことがあって、それはかけがえのない日々だったように思う。

給餌や散歩はもとより、病気やけがをすることもあるし、そうしたら病院に連れて行かなくてはならない。お金はかかるし、大病だと気持ちも沈むどころか、他のことは手につかなくなったりもする。

一度、東大の獣医学部でも年に一度か二度あるかないかの病気に飼い犬がかかって、亡くなる前、呼吸器をつけて心臓マッサージもしてもらって、心拍数が弱るところに、犬の名前を一生懸命呼ぶと心拍数が上がってきて、僕のために生きようとしてくれていることが良く分かった。ただ、そんな苦しさを続けるわけにはいかないと、心臓マッサージもやめて、優しくなでて楽にしてあげようと決心したことを思い出す。涙が止まらなかった。

それなりに長生きはしたけれども、ガンが転移して呼吸が徐々に苦しくなっていた犬は、息を引き取る寸前に僕にだっこをせがんで僕の腕に飛び乗ってきて、僕の腕の中で息を引き取った。この犬は、僕が母犬から取り上げて誕生から亡くなるまで育てた犬だった。

犬と生活するということは、病気やけがの世話はもとより、介護もしなくちゃいけない。

そして別れはつらい。

建築家のミンソが、ミンサンに言う足りないものとは何なのか。

楽しいことだけじゃないのだ。

そして、それは、ミンサンの新しいホテルの計画に込められているのではないのか。

楽しいことばかりではない。

楽しむだけではなく癒すことを前提とした施設がリゾートでも良いじゃないか。

そんな考え方は犬だけではなく、人間にも不足しているのではないか。

韓国ではカジノはほとんど失敗していると聞く。周囲に何の恩恵もないのだそうだ。大阪も万博は良いとしてIRは見直しても良いんじゃないかと思ったりする。

Dog DaysはHuman Daysだ。
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