ワンコ

東京カウボーイのワンコのレビュー・感想・評価

東京カウボーイ(2023年製作の映画)
4.0
【ちょっと考えて周りを見渡してみる】

※舞台挨拶付き。

先月、事業承継を扱うM&A仲介の会社が、事業承継の多くのディールを中途半端な状況に陥らせ、給与の未払いや倒産になるケースも多いと報じられていた。

日本ではプライベート・エクイティのディールが増えてますなんて言っている人がいたが、東芝の未公開化の規模がドデカかったのがその大きな理由で、日本でこの分野が成長しているかといったら結構疑問だったりする。

ましてや、国を跨いだディールは日本の業者は不得手だろう。

「ビジネスを効率的に」なんて考え方は、主にアメリカが持ち込んだものだ。
そして「持続可能性」は、どちらかと言うとヨーロッパ的かもしれない。

日本は翻弄されっぱなしだ。

いざ海外で事業展開しようとしたら、文化的な違いで四苦八苦もする。

僕はずっとアメリカ企業の日本法人で働いていて、アメリカのお菓子の大手メーカーが、僕たちにキャンディを試食して欲しいと言ってきたことがあった。
当然、レビューするのだけれども、これが皆から不評で、その企業は日本でのキャンディ展開を諦めることになった。

映画でもチョコレートを例に取って描かれる通り、逆もまた真なりなのだ。

(以下ネタバレ)

映画「東京カウボーイ」は、キヌアをヒントに、多くの人を巻き込んでビジネス展開が大きく変貌する。

僕は、新しいプロダクト中毒みたいなところがあって、これはこれで困ったものなんだけれども、新しいプロダクトを、法律や規制から、クライアントの使いやすさ、或いは、デファクトになるか否かまで考え、自分で法的手続きから、事務処理まで何から何まで、やってみることはかなり経験になる。

まあ、今は、なんでも揃っているし、そんな新しいことをわざわざ苦労してやりたくないという若者も多いみたいだから、そこまで考える必要のないかもしれないが、この映画で描かれたような感じ、つまり、清水の舞台から飛び降りるような感じで取り組んでみるのは、成功も失敗もあると思うけれども、とても大切な気がする。

そして、こんな感じのアグレッシブさは、実は文化の壁をかーるく超えていく。

だから、ペグとのハイタッチなのだ、

外国人とは異なるところも確かに多いが、人はどこか必ず似通っているところがある。
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