洗濯工場で働きながら“転売ヤー”として真面目に働く吉井良介(菅田将暉)は、医療機器やニセブランドバッグなど売れそうなものを安く買い上げて高く売り地道に働いて日銭稼ぎに熱中していた。
転売屋の先輩・村岡(窪田正孝)に誘われたデカい仕事の誘いに乗らず、田舎の山荘兼事務所を構えて地道に転売屋の仕事に勤しんでいた。
だが、吉野がネットオークションで捌いていた商品の悪い噂が広がり、知らぬ間にバラまいた憎悪の粒はネット社会の闇を吸って成長し、どす黒い“集団狂気”へとエスカレート。
誹謗中傷、フェイクニュース……。
悪意のスパイラルによってネット社会に拡がった憎悪は、実体を持った不特定多数の集団に姿を変え、暴走を始める。
やがて彼らが始めた“狩りゲーム”の標的となった吉井の日常は、急速に破壊されていく……。
黒沢清が菅田将暉の主演で贈るサスペンス・スリラー。
ラクして稼ごうとしても、地道に働いても生きるのが精一杯の吉野や村岡などの若者たちが、直面する閉塞感、知らず知らずのうちに悪気がないのに日頃の言動で恨まれていたり、ネット社会で簡単に広がる悪意のリアリティの怖さ、自分の利益しか考えない吉野や村岡を演じる菅田将暉や窪田正孝の血が通っていない悪役演技、のっぺらぼうな令和の怖さを描いたサスペンススリラー。