「これまで滝本さんに迷惑なんてかけたことないでしょ。これからだって迷惑をかけるつもりはありません信じてください」
「いや、君はあの時居留守を使った」
「え?でもそんなどうでもいい事でどうしてそうなるんですか」
「君のその鈍感さ、耐え難いよ」
常に画面に緊張感が漂っていて、不気味さの表現具合が清だなぁといったところ。不穏な空気の中いつ何が起きるのかとゾクゾクさせてくれるのが良いよなぁ。
転売ヤーはクソだから絶滅してもろてって感じだけど、正直菅田将暉にどんな報復をしてくれるのかと期待していたから終盤はかなり残念だったな〜。中盤まではいい感じだったけどねぇ。。
人間関係の関心のなさは俺には理解できないからやべぇなぁって感じだけど、先に商品を心配する菅田将暉を見て"あ、こいつはホンモノや…"ってなった。そりゃ恨み買うよって感じ。無自覚なのも、本当に嫌な奴って感じがして、ちゃんと痛い目にあった方がいいと思う。いや、マジで。
集団心理で暴走するのは描けてるといえど、各々の理由付けがちょっと浅はかではあるよなぁ。こんなしょーもないことで人生棒に振るうくらいの復讐するの頭悪すぎないか?銃もどこから手に入れたんだって感じだし。何よりも、佐野の登場でエンタメ感増してホラー感が一気に消滅したし、今までの描写が台無しになったように思う。終盤のバトルは、酷すぎる。ご都合展開の殺人だし、入念に準備してきた割に敵はマヌケが多いし。アクションとかバイオレンスは大好きだが、これは趣旨と違いすぎないかな?リアルに悪意の種をばらまけてたのに、まいた種が返ってきてからの描写はフィクションすぎて軽く呆れた。黒沢清はこんな事がやりたかったの??Chimeと比べたらよっぽど酷いっすよこれ…。
「ここは地獄の入口かぁ」
主人公がまいた悪意が本物の悪となって襲いかかるのは面白いし、そこに対しての佐野という絶対悪の存在。善から悪になった者と悪を極めし者の対比構造もベリーグッド。転売して稼ぐことも犯罪ではないので、吉井は完全に悪ともいえず法的にはグレー。しかし彼に近寄る絶対悪に、飲み込まれるかのごとくグレーから悪へと変貌していく吉井。コンビで悪を狩っていくが、最終的に待っているのは地獄。この先の吉井が歩む道はどんよりと濁っていて、救いなどなく堕ちていくのみという暗示。描きたかったテーマも意味も、読み取りやすくてなるほどねと言いたいところですが…!だから何やねん??結局何が言いたかったのか。転売ヤーが完全な悪になって地獄の道を歩んでいくんですよ〜ってこと?正直全然伝わらん。とっつきやすい社会問題を良いように組み込んでみました〜ってだけにしか観えませんでした。