"人生に一度は勝ってみたい…"

どん底の人生…仕事もせず、食っちゃ寝を繰り返すニートのドゥ・ローイン…出戻り妹と大喧嘩をした事で家を飛び出し、何とか一人暮らしを始めたローインの目に止まったのは、ボクシング・ジムでトレーニングするハオ・クンの姿見…ほぼほぼ一目惚れのローインはジムに入会するが…

安藤サクラの"百円の恋"をリメイクした本作ですが、オリジナルをリスペクトしつつ、また違った作品となっております。

オリジナルのドラマが完成されていた故にどうするのかと思っていましたが、"己に勝つ"事に焦点を当て、実に分かりやすい"ど根性ストーリー"である点は評価出来ます…オリジナルより万人受けする安心感はあるような気がします。

主演と監督を兼ねたジア・リンが、コメディアンという事もあり、ちょっとしたところにクスッとさせる要素を上手く溶け込ませ、オリジナルにあったクセというか、アクの強さがイイ塩梅まで中和されたような感じ？

とはいえ、試合に向けたトレーニングの描写の上げ方は半端ない…まぁ、"ロッキー"はちとやり過ぎで失笑してしまいましたが、それ以外はすんごいの一言…マジで熱くなります。

100キロ強から50キロを一年かけて減量した凄みはその姿を一目見れば分かります。

ただ単純に減量したのではなく、ちゃんとボクサーの身体になっているところに物凄い説得力があるのです。

トレーニング・シーンは、ここ最近観たボクシング映画のなかではピカイチではないでしょうか？

試合のシーンも実際に打ち合ってんじゃね？というくらい鬼気迫るものがあり、グッときちゃう…そんでちゃんと甘くない…

試合に向かう通路でのシーンでは何だかジーンとして泣きそうになってしまった…

思っていた以上にイイ作品なんですよ…ただね…気持ちは分かるんだけど、エンドロールで減量の様子を見せるのはどーかと…壮絶過ぎて、せっかく良い感じで終わった本編の印象がぶっ飛んじゃう…アレはいただけない…本編が良いだけに蛇足かなぁ…

足立紳監督、安藤サクラ主演『百円の恋』のリメイク。中国映画。
監督・主演は、日本でもヒットした『こんにちは、私のお母さん』のジア・リン。
注目は、この作品のために、実際に80キロぐらいの体重を20キロ体重を増量してから、50キロ台まで減量した、リアル減量ドキュメント。その様子は、エンディングまで観ると、実際の様子を知ることができるが、CGとかではなく、実際に減量している熱意が凄い。ジア・リンは、中国では知らない人はいない人気のコメディアンだが、この作品のために、そこまでチャレンジしていたことが驚き。
ジア・リンが、すでに国民的俳優であり、監督であったこともあり、共演も豪華。妹役は『こんにちは、私のお母さん』の時は、若き日のお母さんを演じていたチャン・シャオフェイ。前作を観ていたので、ジア・リンとの関係性に、最初、戸惑ってしまった。それ以外にも、馬麗（マー・リー）や喬杉（チャオ・シャン）などコメディ映画では、主役級の俳優が脇を固めている。
近年の中国映画の資金力は凄まじいが、この作品も『こんにちは、私のお母さん』が超絶ヒットしただけに、力の入れ方が凄い。今後も注目。逆にまだ『こんにちは、私のお母さん』を観ていない方は、ぜひ観て欲しい。こちらは、さらに上を行く傑作です。
2024年7月10日＠Tジョイ京都

• #ジア・リン
• #リアル減量
• #中国映画
• #『百円の恋』リメイク
• #『こんにちは、私のお母さん
• #脇役も豪華
• #笑って泣ける

【80 → 100→ 50】

映画「百円の恋」が日本の暗いデフレの時代の物語だとすると、この中国リメイク版「YOLO」は、一説には25%を超えると言われる若者の失業率など停滞する今の中国経済の中でのストーリーだ。

映画の場面の要所要所に「百円の恋」に対するリスペクトが感じられるが、1番ゾクっとしたのは、ローインが控え室からリングに向かう通路に出てきた時だ。

コスチュームとボクシンググローブ🥊が同じだ。
なんかゾクっとする。

ボクシング・シーンもほぼ同じだ。
そして、象徴的な最後のシーンも。

この作品も終盤にスピード感が一段アップするが、驚くべきはローインを演じたジア・リンが、本来80Kgだった体重を100Kgまで一旦増量して太った時期の撮影を行い、そこからプロテストに向けて実際に50Kgまで落とす場面を経て、最後の試合にのぞんだことだ。
人によってはこれだけで大勝利だ。

あの電子マネーのやり取りとか、変なルッキズムを社会として否定していない感じの番組制作とか、なんか僕にはイヤな感じしかしなくて、実はピンとこないところも多いのだけれども、あれが現在の中国の若者を取り巻く状況なんだろう。

この作品には「百円の恋」の脚本の足立さんなど監修で参加したらしい。

そして、最後の最後の場面、こっちとあっちとどっちが好きか好みが別れそうだけれども、駆け抜ける感じはこっち、ダサい男なんてどうでも良いじゃないか。でも、全体を通しては同時代ってこともあってあっちかな笑

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「百円の恋」観た人には分かるかもしれない。