『ゲバルトの杜』と『悪は存在しない』の間にそもそもは別の映画の予定を入れていたのですが、ポスタービジュアルに絆されてふらふらっと。
だから長之助、真一と続く伊勢家3代目の作だということも、アールブリュットについて、ということも知らずに、ただパスカルズのクレジットがあったので潜在意識の中でなんか惹かれるものがあったのかも知れませんね。
そして驚くなかれ、前日には佐藤真さんの『まひるのほし』を見ていた私なのでした。
たま〜にありますね、本でも映画でも。まるで偶然みたいな感じなんだけど紛れもなく何かにひっぱられてめぐり逢う幸せみたいなものって。
富田望生(みうさん、素敵な名前ですね)さんが「魔法」の眼鏡と齋藤陽道さんに導かれて各地の表現者を巡る、まあ言えばロードムービー的ドキュメンタリー。
落ち葉を細かく折り込んで動物を作る、極彩色の鳥を描き続ける、セロハンテープで眼鏡を作り続ける(30000本とか、そのうちの一本を望生さんがかけます)、二色刷り顔面コピーをひたすら取り続ける、筑波の麓で踊りながら野菜を育てる、巨大な葉っぱのボールペン画、文字通り際限のない一筆書き、そして72歳から突如自宅の内外を絵で埋め尽くし始めた人…
特に最後の方はその生き方の完結を見せてもいただけるのだけれど、この方だけ望生さんとの接触がなかったのが残念。
そこも含めていくつか編集で「うーん」という部分もあるのですが、必見作かと。
『まひるのほし』『花子』と3本立てで見たいわあ。