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大きな家の作品紹介

大きな家のあらすじ

ここは、東京のとある児童養護施設。子どもたちは親と離れ、血の繋がりのない他の子どもや職員と日々を過ごしています。両親への想い。生活を身近で支える職員との関係性。学校の友だちとの距離感や、施設を出たあとの暮らし。 家族とも他人とも言い切れないつながりの中で育つうちに、子どもたちの葛藤はさまざまに変化していきます。 何を思い、何に悩み、何を受け入れてどう大人になっていくのか。惑いながらも確かに成長していく子どもたちの姿と、それをやさしく包みこむあたたかな眼差し。映っているのは決して特別な事件などではなく、些細だけれど大切な日常の景色です。観終わった時、きっとあなたは彼らだけでなく自分自身が歩んできた道のりをも肯定したくなる。そして”ふつう"が少しだけ広がり、明日をまた生きていく勇気をもらえる123分です。

大きな家の監督

竹林亮

原題
公式サイト
https://bighome-cinema.com
製作年
2024年
製作国
日本
上映時間
123分
ジャンル
ドキュメンタリー
配給会社
パルコ

『大きな家』に投稿された感想・評価

5.0
【世界】

※舞台挨拶

施設やドキュメンタリーを彩る登場人物のプライバシー保護の観点から配信やDVD化の予定はないのだそうだ。

上映館が少ないけれども、映画館だけで観ることが出来る作品として、出来るだけ多くの人に観て欲しい。

監督は「MONDAYS」の竹林亮さん、音楽も「MONDAYS」の大木嵩雄さんで二人が登壇された。

作品化は、齊藤工さんがたまたま訪れたこの施設での児童との会話で「今度来たら......」というやり取りの中で「今度」の儀礼的なところに対する違和感から、”じゃあもっと関わってみようか”みたいに考えたことがきっかけだったらしい。

”大きな家”というタイトルだけれども、ここに暮らすのは家族ではない。

漠然と家族然としているのかと思ったら、それは違って、それぞれ年齢や自分の境遇によって感じ方は様々だった。

この作品では、登場人物の”(当時の)今”と葛藤や考えを見せるために、彼らの背景や境遇を見せていないが、僕たちも実際の生活で、わざわざ目の前の人の家族云々の必要以上に踏み込んだ情報はなくても構わなかったりするし、養護施設だと別なのかと問われれば、そんなことはないよなと改めて考えた。

考え方は年齢ごとに異なるが、退所が近づいたり、大学進学による退所によって施設や共に生活する仲間たちに対する考え方が変化する様子は、家族とは一体何だろうかと考えさせられる。
年齢が若ければ、一緒に生活するスタッフや仲間は家族とは違うと発言することが多いように思ったが、それが成長するにしたがって変化するのは、考え方が柔軟になったのか、退所をきっかけに寂しさが募るからなのか、個人個人に様々異なった背景があるのだとも思った。

熱中するものが違ったり、将来設計が異なったり、様々な葛藤が伴ったり、そこにあるものは僕たちが普段接する人たちと同様だが、皆ありままで真剣に感じられたことは、このドキュメンタリー映画「大きな家」の秀逸なところだと思う。

ボランティアでネパールの児童養護施設を訪れた女の子が「ここの子は皆目を見て真剣に話すけど、日本はスマホいじって下ばかり見ている」って自分自身を見つめ直すところは印象的だった。

僕は東北の田舎の出身で、貧乏で大学は行けないけれどもめっぽう数学の出来る友人なんかいた。高専には行けて技術者として立派にやっているが、教育費の無償化で希望して勉強しさえすれば誰でも大学教育が受けられるような環境になれば良いと思う。申し訳ないが、何のために大学行って勉強したの?みないなのが存外に多いのは否定できない。

野球もダンスも短距離も演技もバイトも仕事もみんながんばれ!

映画の冒頭とラストに「SNSで施設や登場人物を特定したり誹謗中傷は止めて」と映されるが、こうしたことを好んでする連中の目的は自分の置かれた状況への腹いせなのだろうか、単なるバカなのかと暗澹たる気持ちになるが、この映画は”前向き”で”とても素敵な”映画です。
東京にある児童養護施設と、そこで生活している子供たちと支援する方々を映し出すドキュメンタリー。
(正直、スコアを付けづらく、1月4日時点の平均点を採用)
現代の児童養護施設の姿を描いていて、子供たちにとっての、親、家族、居場所、支援など考えさせられます。また、施設の必要性を感じつつ、ネパールの同様の施設との対比を感じた、子どもの言葉が、心に残りました。ただ、感想となると、自分が生まれ育った環境に依存する(そうしても相対比較先がそうなるので)難しい。実際、良くない経済の家庭で育った経験を持っているので、恵まれている(日本の社会が)と感じる部分もあり。子どもたちの「記憶」の話もまた、印象的です。
この作品は、配信やパッケージ化の予定はないので、映画館等でのみ、観ることができる作品。どのような感想を持つにしても、観ておく価値があることは確かな秀作。
2025年1月4日@京都・出町座
とある児童養護施設に預けられた子供達のドキュメンタリー。
ドラマとか映画で、児童擁護施設の繋がりとか家族みたいっていう表現がよく出てくる。自分の家の近くに施設があるかどうかも知らない。知り合いに施設出身の人がおるのかすら知らんし会ったこともないはず。何歳までそこに居て良いのか、どんな人が来るのか、どんな経緯で来るのか、お金はどうなってるのかとか全く知らない。これはイメージやけど、施設出身の人たちは家族みたいな繋がりがある感じ。

映画を観て、↑に書いたのが外側から見た施設のイメージでしかないと感じさせられた。あの子たちにとっては同じ場所で過ごしてても赤の他人で、血の繋がってない人。家族って言葉はそんな簡単に使わへんかった。親と繋がりがある子供達は特にそう。ほんであの施設は家とかじゃなくて施設・預けられている場所っていう感覚やと。正直びっくりした。本人達にとってはそんなに明確に分けられた場所・人なんやって。だからこそ、施設の人の距離感は難しいやろう。親の代わりなんて気軽に言えへんやろう。大きな家ってタイトルやけど、そう捉えてるのは本人達じゃなく、本人達以外なんやろな。

施設に預けられてるから不幸せなんてことはないし、恵まれてないなんてない。同じように夢を持って今を生きてるし、親と会ったりしてる子達もいる。でも、なんでここにいるのかを思う時があるのは共通してた。"事情"があるで済ませて良いことではないケースもあるはずやのに、本人達は納得してた。もちろんその理由が永遠にわからん子もおるやろう。

テレビのドキュメンタリーと違ってこの映画では、なんでここにおるのかではなく、ここでの暮らしがどうか・これからどうしたいかが軸やった。だからこそ、普通の学生やんと思ってしまった。カメラの前で見せてない姿はとてつもなく黒くて目を背けたくなる姿かもしれへんのに。

この映画の主題歌はハンバートハンバート/トンネル。"どこから来たかもわからない"、そんな子供達が世界中におることをわからされた。

「どこへ行くのかわからない どこから来たかもわからない 
行くも戻るもない道を 戸惑いながら歩いている」
わーわー言うとります、お時間です、次の作品まで、さようなら。

noteでもレビューをしています!
https://note.com/umintyu1018

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