【お路(みち)に感謝/因果応報・勧善懲悪/日本のスペクタクル・ファンタジー巨篇】
アメリカの大学生が最も読んだ日本の文学作品といえば「源氏物語」が不動の一番だと言われている。
ぜひ、この映画の原作でもある滝沢(曲亭)馬琴の「南総里見八犬伝」もぜひ読んでもらいたいと思う。
南総里見八犬伝は因果応報と勧善懲悪の物語と言われるが、この映画「八犬伝」は、南総里見八犬伝と滝沢(曲亭)馬琴の生涯の物語を葛(つづら)折りのように展開することによって、好むと好まざるとにかかわらず、意図すると意図せざるとにかかわらず因果応報は起こり得るのだと、そして、それを乗り越えることは勧善懲悪と同様に大切なことではないかと言いたいのだと思う。
今こうして映画を観ると、江戸時代に馬琴も幕府に気を使っていたのが良く分かる。
八犬士の八つの珠が飛び散るのは、徳川が豊臣秀吉によって所領と定められる関八州だし、敵は関東管領、つまり、上杉が世襲した要職だったことから、上杉を意識させるストーリー仕立てになっていたんだと改めて考えた。
個人的には、「ロード・オブ・ザ ・リング」にひけを取らない日本の古典スペクタクル・ファンタジー巨篇だと思っている。
NHKオンデマンドで今でも観れたら良いのにと思うんだけれども、この南総里見八犬伝は、過去にNHKが「新八犬伝」として人形劇として制作・放送している。
僕たちの世代は再放送で観た人も多いと思うけれども、放送当時から大人気だったらしく、人形制作と演出は辻村ジュサブローさんで、僕は「(確か)我こそは玉梓が怨霊」というおどろおどろしいセリフが怖くてすぐに思い浮かぶくらい印象的な番組だった。
ナレーションは坂本九さん。
後々、僕は千葉館山に観光に行って、ここが八犬伝の舞台か〜なんてしみじみ物語を思い出したことがあった。
本当は、Netflixが何回かに渡って南総里見八犬伝だけを映画化してくれないかなんて思う。
南総里見八犬伝の方は、八犬士それぞれが個性的で、それぞれに物語がきちんとあって、八犬士の出会いも一筋縄ではいかないところが面白いのだ。
また、最後もカタルシスを誘うし、やっぱり、ロード・オブ・ザ ・リングばりに映画化して欲しい。
お路(みち)、君の努力のおかげだ‼️