先日『卍 リバース』の試写に参加させて頂いて、その流れで今度は同製作陣、同日公開の『痴人の愛』の試写会へ。
こちらも『卍』と同じく谷崎潤一郎の同名原作が原案で主人公とパートナーの性別を入れ替えて映像化。
真面目に働く高校教師の女性が、道端でうずくまってる青年に何かを感じ、彼を拾う形で2人で新居に引っ越して同棲を始める。
最初は彼に住む場所と衣服と食事を与え、勉強を教えたり、まるで“親子”のように過ごすが、いつしか“男女”の関係に発展していく。
何か一線を超えてしまったような関係にはなったが当の2人は順調な純愛を育んでいるかのように思えた、、、が。
この拾った彼が“演劇”という、勉強に変わる生きがいを見つけ始めるあたりから歯車が狂いだす。
そして、彼の“奔放”“本性”が垣間見え始め、やがて確信に変わる。
その彼に振り回され、狂わされていく真面目な女教師を主人公にした“文芸エロス”作品として描かれる。
個人的には『卍 リバース』よりは観やすかった。
真面目な女教師が彼に対して一生懸命になればなるほどドツボにハマっていく感じ。
そして、彼女が言う通り、やがてそれが、「人に言いたくて言いたくて仕方がないが、人には言えない話」となっていく。
自分はどこで間違ったのか、どうしたら良かったのか、、、どうしたいのか。
自問自答しながら、確かめるように1歩1歩慎重に考えて行動していたはずなのに。
彼の圧倒的な存在感に飲まれていく。
何となくわかっていても、違和感を感じても、いつの間にか彼にほだされ、彼のペース、人生に飲まれていく。
この彼の不思議な魅力にズルズルと引き込まれ、最終的には支配されていってしまうような没入感。
周りが見えなくなり、自分の価値観の物差しが彼になっていく妄信的な怖さ。
これも1つの愛の形なのか。
『痴人の愛』。この気持ちは、この自分は、、、果たして。
※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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