ガリアーノについては差別発言以外のイメージは特になかったけれど、
この映画を観て、良くも悪くも純粋すぎるし
トラウマ抱えて育ってるし、仕事しすぎで頭がおかしくなっちゃったんだろうなーと思った。
でも、私は彼の根底には多分差別意識があるんだと思った。自分自身でも気づいてないくらい無意識かつ当然に。
なんとなく憎めない感じもするけど、その感じと才能のおかげで、
犯した罪の割に周りにすぐもてはやされて復帰してて
黒人女性のエディターが、彼は白人男性だからって言ってるのが沁みた。
視野が狭い&自分の影響力を過信してるのに悪い意味でちゃんとわかってない天才って厄介だけれど、彼が作り出す夢の世界に魅了される部分もあって、
善悪だけで人や物事ははかれないなと思った。
ガリアーノだけじゃなくて、侮辱された側やガリアーノを擁護するセレブたちなど、豪華な周囲の人をたくさん取材していたのと、
ガリアーノがおそらくずっと憧れているナポレオンを描いた映画のアーカイブ映像の使い方(肝のシーンのガリアーノと対比させてる)がとても上手で、
ガリアーノ自身を好きでも好きじゃなくても、作品として観てよかった一作。