観終えた後の率直な感想は「分からん。」だった。けど、この分からんが正解な作品だと思う。これは、ストーリーを理解するとかじゃなくてカナと言う人物をただただ観てて、カナのやり場のない気持ちが塵積でぷつんと切れてしまう瞬間と途切れてしまってからの過程をとても丁寧に映し出してて、観ているこっちも自分の事のように息が詰まるくらい苦しかったな。カナが荒ぶってハヤシと取っ組み合いしている所を、カナが脳内で俯瞰的に観てるシーンはかなり良かった。どう言葉に表現したらいいか分からなかったが、「滑稽」と言う文字を目にして腑に落ちた。別にカナだけに限ったことではなくて、人間みんな滑稽だ。誰かから見た自分は滑稽に映って見えるかもしれない。カナみたいな人って何でか分かんないけど人を沼らせる魅力があるよね。私が男だったらホンダとかハヤシと同じで沼って離れられないだろうな〜とか思ったな。人間、1人では絶対に生きていけないから遠山みたいな本当の意味で理解して心軽くしてくれる人に出会えたらいいなと。最後はまたほんの少しだけど平穏が戻ったのは良かった。
この作品は、静寂と生活音のコントラストと調和がとっても良かったのが印象的だったな。カナの台詞も良くて、子供から大人になりきれていない21歳が前面に出てたな。なによりも河合優実ちゃんの演技がカナそのもので凄すぎた。
もう一度観たら何かが変わるのか?と思わせる作品だった。