劇場2024-114 熊UC
今年5月公開のデンマーク🇩🇰オランダ🇳🇱合作『胸騒ぎ』のハリウッドリメイク。
この『胸騒ぎ』のコピーがヒューマンホラーだったか、、、
原題の『Speak no evil』そのままで今作は公開。なるほど「言わざる」の意味が、今更ながらよくわかったというのが率直な感想。
兎角ハリウッドリメイクとなると「良くも悪くも」とくさされながらも、どちらかに比重を置き評されるものだが、今作は、まぁあの胸糞ヒューマンホラー、サイコサスペンススリラーを、その胸糞さをかなり削りながらも残しつつという微妙なライト傾斜も良い方向に向けて作られている。
『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイク『モールス』と同程度か、それ以上の出来ではないだろうか!
あの元作の本当に嫌ゃ〜な、我々の舌には少し、、、といった味から、ピリピリする毒とえぐ味と、後から鼻に抜ける匂いを抜いて、苦味と辛味と痺れを残した感じ。
言い換えれば現地の料理をハリウッドというフィルターで濾して現地風にしたお料理です。
ただ今作は元の味が抜けてスカスカなライトなものかと言えばそうでもなく、ちゃんとあの『胸騒ぎ』の味は残っているんです。これは素晴らしい!両方観て初めてわかる喜びでもあります。
ヒューマンホラー&サイコサスペンススリラーだけにストーリー展開、ディテールなど細かいことは差し控えますが、換骨奪胎されており全く違う仕上がりです。元作はとにかくやっちゃいけないことまでガンガンやってしまいましたから、、、
しかしSpeak no evil それは今作の方がしっかり伝えられており、原題の意味がしっかりわかるところは元作より好感が持てました。
何せ、元作のあの極悪非道さは嫌味しか残りませんでしたし、原題の意味を示す描写の軽さというか、少なさというか、、、がヨーロッパ的というか、アート作品ぽさがきわだってしまっていたから、、、
そして宗教色も強く、我々には若干分かりづらいこともあったし、、、
本作だけご覧になると普通のサイコサスペンススリラーとしか見えないかもしれません。しかし元作と比べてご覧になれば、本作の良さ、完成度といったらおかしいかな?が分かるし、結末のある意味の恐ろしさが倍化するのではないかと思います。
アントよ、、、嗚呼
神よ彼を許したまへ