2024.12.21
予告を見て気になった作品。
ジャンルはホラーになってるけど予告編的にはスリラーな感じ。
頼むからビビらせないでくれよと願うばかり。
アメリカで暮らしていたが転勤とクビが重なり、ロンドンに移住することとなったベン一家。
引越し先を決めに来た際、パディ一家と知り合い、価値観の違いを感じながらも、親密になっていく。
ロンドンに移り住んで少し経った頃、パディが所有する田舎の家で週末を過ごさないかと提案される。
休暇を共に楽しむ両家だったが、パディ一家に対して価値観の違いでは済まされないほどの違和感が募っていく。
しかしベン一家にも、他人に簡単に言えない、理解してもらえないような隠し事があった。
やがて、パディ一家が出していた違和感が、狂気となってベン一家を襲う。
これは、、予告と雰囲気が違う気がするのは気のせいなのだろうか……
予告編から予想していたのは、『異常な家族』に襲われるごく普通の一家の話、な感じでしたし、終盤はそんな感じかつ、細かい描写を回収していくワンシチュエーション・アクション・スリラーになっていましたが、それまでがまぁ長い。
『異常な家族』というのを、中盤までの描写から、まさに「よそはよそ、ウチはウチ」な感じの、異質な感じに見えても家族それぞれに悩みとか価値観とかは違うよね的なことを、じわじわいやらしく描いていて、そういう意味でのスリラー作品だったのかもと思いました。
終盤は普通のパニック・スリラーの様相で、シリアルキラーなのか『家族』に狂気的なほど執着する人物なのか、どちらにしても恐ろしい人物から逃走したり家族で団結して闘争したりな場面続きでした。
そこを描くなら予告の通り終始その雰囲気で恐ろしさを演出していれば、一定レベルの洋画に仕上がっていただろうに
上述の『家族』の違いをじっくりねっとり描くのに時間をかけていたものだから、なんだか微妙なところに着地してしまっていた印象です。
邦題の『異常な家族』に引っ張られてしまいますが、原題の『Speak No Evil』は、日本語でいわゆる「言わざる」。
舌を切り落とされてしまったアントと、そんなアントがなんとかしてパディの異常性を伝えようとする様にマッチしたタイトルですね。