ひろぽん

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズのひろぽんのレビュー・感想・評価

4.3
『ベイビーわるきゅーれ』3作目

殺し屋協会に所属するプロの殺し屋コンビ・ちさととまひろが宮崎県に出張することに。仕事をこなしバカンスを満喫していた。だが、ちさとは相棒まひろの誕生日を忘れており、しかも次の殺しが入っていてプレゼントを用意する暇もない。内心の焦りを隠しつつ、ターゲットがいる宮崎県庁に向かう。チンピラを一人消せば終了する簡単な仕事のはずだったが、指定された場所にいたのはターゲットに銃を向けている謎の男。たった一人で149人の命を奪い、150人目を手にかけようとしている史上最強の敵・冬村かえでが、ちさととまひろを絶体絶命のピンチに追い詰める。果たして2人は最強の殺し屋を倒すことができるのかという物語。


今回2人の前に立ちはだかる野良最強の殺し屋・冬村かえで。対峙したら瞬殺されるのではないかという程オーラがあり、銃の扱いも肉弾戦も圧倒的な腕前を誇るラスボス感満載の恐ろしいキャラ。殺しにストイックで日記に殺しの詳細を書くほど真面目に殺しを追求する死神の様な男でキャラが立っていた。そのため、まひろが過去一で追い詰められ、ボコボコにされて血を流すというのも珍しく、手に汗を握りながらハラハラドキドキが止まらなかった。


冬村かえでの住処で緊張感もなく酒を飲んで寝落ちするちさととまひろに対して、キレるみなみの気持ちはよく分かる。でも、20歳になって家の中のテントで2人がビールを飲むシーンは格別。


“今日は甘やかしてやる”と決戦の前にちさとが言う台詞も男前でギャップがあって痺れた。2作目で登場したゆうり・まこと兄弟の話も登場するのが良い。まひろがちゃんと記憶に残るくらい強かったって認めてる辺りが最高。

最後のナイフを握り血を流しながら手で止めるちさとの行動は感動した。「必死」って言葉が似合うくらい緊迫したシーンだったから心打たれた。


1作目でちさとが披露してた犬がフローリングを走るものまねがたまらなく好きで、今作でもそれが観れて本当に良かった。ストレスが吹っ飛ぶほど見ていて癒される。

最後にちさととまひろが20歳を祝いケーキを頬張るシーンがエモい。
“生きてて良かった”と言う台詞には色んな感情がこもってて良かった。

これまでアクション控えめだった髙石あかりのアクションシーンが、格段にパワーアップしていた点も非常に良かった。ホテルでフォーマルな服装をした時は2人ともカッコよく、その服装でのアクションも見てみたいと思った。

前田敦子演じるみなみのツンデレで何よりも仕事を優先するような捻くれたタイプの性格なのに、灰原哀に憧れたからこうなったみたいなエピソードが好きだった。振る舞いを見ればなんとなく想像つくのも面白い。こういう奴いるなみたいな性格で憎たらしかったけど、物語が進んでいくうちに好感度が上がるのも演出が上手いなと思う。そして、池松壮亮は筋肉も肉弾戦もガンアクションも全てが素晴らしかった。社会に馴染めないネジの外れたサイコパスな役柄は最高にクレイジー。まひろと近しい人間性で2人を重ね合わせる様な描写は、ちさとが居なかったらかえでと同じようになっていたんだろうなと思わせる描写なのだろう。

焼肉屋での打ち上げの意外なメンバーでの打ち上げのシーンの会話も和んでホッコリする。

1、2作目のゆるい日常よりもシリアスな部分が多く、アクションも多めだったのでめちゃくちゃ面白かった。やっぱり2人の映像をずっと観ていたい。
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