サスペンス、ホラー、エロ、戦争映画と多ジャンルごった煮状態が続くが、通して見て残ったのはとてもピュアで美しい愛の物語だった。
侘しく、切なく、エロい、つげ義春の世界を、片山監督らしく、食べる、排泄する、働く、まぐわう、即ち、人間として生きることを通じて描いていて、作品を観るというよりはこの世界に浸っていた132分。
もちろん台湾のロケーションはとても素晴らしいし、成田凌の表情や中村映里子のシルエットも印象深く、また、戦場のシーンの長回しに驚くことは言うまでもない。
そういう意味で見どころは多いしストーリーも一度最後まで見れば何となくは掴めるので、もう少したくさんの人に見られてもいいのにと思う。