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グランメゾン・パリのプレコップのレビュー・感想・評価

グランメゾン・パリ(2024年製作の映画)
4.3
キムタク 究極のメニュー三本勝負

激戦区のパリで日本人初のミシュラン三つ星を目指すキムタクの物語。努力で道を切り開いてきた自負がある尾花シェフはチームを抑圧して支配することで星を守ってきている。しかし、2つ星から3つ星にグレードアップするためには変革が必要であり、なにを変えて行くべきか葛藤を持つようになる。

尾花が1人で闘うのでなくチームをまとめていくことについて気づいて行くシンプルなストーリーながら、キムタク自身のイメージと尾花のキャラクターがリンクしているためより入り込んで見られた。「グランメゾン東京」は観ておらず、連続ドラマ後のストーリーでこの有様ってことは逆にドラマの尾花は相当ヤバいのかな、とは思ってしまった。

こういった料理系の作品では味覚を伝えることが一つのヤマとなるが、今作の場合は評文をナレーションにトレースしたスタイル。冨永愛版「孤独のグルメ」とも言えるこのやり方に賛否があるのはなんとなくわかるが、個人的に映画として観た時に言語化した音声情報と併せて映像を展開することは効果的だったと思う。

フランスロケのゴージャス感や脇を固める鈴木京香や沢村一樹や及川光博の安定感から正月にぴったりの良作だった。予告編に火事のシーンがあるので、「室井」クオリティの心配があったが、杞憂に終わりました。
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