誰かに与えられたものはいつの間にか無くなってしまう。でも自分で選んだものは残る。エフィと別れた後の乳母が穏やかな日々を送れていますように。
親の勧めで20歳年上の男性と結婚することになるエフィ。夫はエフィを気遣い、暴力をふるうなどもない。しかし夫は仕事の都合で家を空けることが多い。豪邸で使用人たちと過ごし、たまに夫と話すだけの生活。エフィは少しずつ彼女らしさを失っていく。
娘と再会した後のエフィの独白、ここにこの作品のすべてがつまっている。善良で、直接エフィに具体的な何かをした訳ではない。でもエフィは夫に多くのものを奪われてしまったのだと思う。世間体とか男のプライドなんてクソ喰らえ、と言ってやりたいけど時代に逆らうことはできない。この時代ではエフィのような女性は珍しくなかっただろうから。
近くにいる時ほど目線を合わせないのに、鏡越しに目線を合わせるシーンが多かったのが印象に残ってる。登場人物達の立ち位置も意味がありそう。恐らく原作のものだと思われる文章が挟まれる演出など、初見では全部理解するの難しい〜