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『自由の暴力 デジタルリマスター版』に投稿された感想・評価

4.3
  名もなく貧しい青年FOXは、自分の運試しをするかのように、毎週ロトを買うことだけを唯一の楽しみとしている。このフランツ・ビーバーコップという名の青年を演じるのは、ファスビンダー自身である。この名前は『出稼ぎ野郎』、『悪の神々』、『アメリカの兵士』に続き、実に4度目の登場を果たすファスビンダー作品に通底する馴染みのある名前である。アルフレート・デーブリーンの長編小説『ベルリン・アレクサンダー広場』の主人公からモチーフを得ているのは云うまでもない。一瞬にして路頭に迷うことになった主人公は、自分の体を売りながらなんとかその日暮らしをしている。公衆トイレでよく知りもしない男性の陰茎を咥えながら生きる青年の未来は真っ暗闇の中、そこに奇跡のような新たな出会いが待ち構える。骨董商マックスとの出会いの場面は同性愛者ならではのリアリティを伝える名場面であり、後にモロッコでファスビンダーの実際のパートナーだったエル・ヘンディ・ベン・サレムとの出会いの場面でも反復される。フランツは最初思わせぶりな視線を投げかけながら、少し離れたところで男を見つめ、次に男が追ってくるかどうかを試すのである。

 この明らかに階級の違う男との出会いから、続くオイゲン(ペーター・シャテル)との出会いはまるで奇跡のようなシンデレラ・ストーリーの様相を呈する。かぼちゃの馬車のごとき車に乗り込み、宮殿ではなく同性愛者専門のサロンに招かれたフランツ・ビーバーコップは、見世物小屋の日常とは一味も二味も違う上流階級の暮らしぶりを知り、オイゲンの熱烈な歓待を受けることになる。更に毎週買っていたロトで50万マルクもの大金を当て、二重の喜びに打ち震える。彼は救いのない最下層の生活から逃れる術を一瞬にして手に入れるのだ。赤い絨毯の敷いてある豪勢な邸宅、かつての興行主とは違うハンサムで陰茎も大きいパートナー、上流階級というステータスを一夜にして手に入れたフランツ・ビーバーコップは、近い将来、パートナーであるオイゲンとの幸せな結婚生活と印刷会社の共同経営を夢想するのである。然しながらその夢はファスビンダー映画の中では脆くも崩れ去る運命にある。一番の要因はやはりオイゲンとビーバーコップの階級差であり、ライフスタイルの違いであるが、彼らの出会いに50万フランもの大金をもたらしたロトが全ての元凶だったのかもしれない。2人の聖域で流れるビーバーコップが幼少期に好きだった歌謡曲とフランツのオペラの対比、セレブの嗜みであるチョコレート風呂の居心地の悪さ、食事中にパンを浸して食べる下品な習慣への怒り、一張羅を選ぶ際の色や生地のことごとく合わない趣味など、実に様々な対比がオイゲンとビーバーコップの決定的不和につながるのだ。そのことが結びの悲劇的結末を予感させる。クライマックスの駅構内での凄惨な光景からは思わず目を背けたくなる。イングリッド・カーフェンの歌う『シャンハイ』と実に対照的な陰惨かつ残酷で忘れることの出来ない強烈な場面である。改めて大傑作。
4.2
ライナー•ヴェルナー•ファスビンダーが29歳で監督、脚本、主演した傑作。

『ペトラ•フォン•カントの苦い涙』『13回の新月のある年に』の2作品が好みと言えずで、その後は敬遠しつつあったけど、これで帳消しできるくらい苦手意識を払拭しました。

実は本人が出て来た途端、生理的に受け付け難い感じがしたのだけど、観終わる頃には愛着が湧いてしまった感じ。素朴で粗野で愛に貪欲で向こう見ずな男に成りきっていた。

ファスビンダーがゲイを直接的に描いた最初の映画であり、ボカシは入らずにフリ◯ンだらけ。
難解さはなく非常にシンプルに展開する物語。ジャケ写にある通り、主人公FOXが『奪われて、奪われる。』話。貧乏人が富裕層に搾取されるお話。


学もなく金もなく品もなく、見世物小屋で働いているゲイのFOX=フランツ(監督本人)は、小屋の経営者で恋人のクラウスが目の前で逮捕されて失業する。その後に盗んだ10マルクでロトに当たり50万マルクの大金を手にする。ブルジョワが集う同性愛者コミュニティに参加し、工場経営者の御曹司オイゲンと知り合い夢中になる。身も心も金も尽くしまくるフランツだが、オイゲンは初めからフランツの大金目当てでしかなかった...


色彩演出が美しい。ブルジョワの趣味嗜好がいやらしく見えて行くのも滑稽。内容はシリアスで辛いラストが待っていたが、資本主義社会への露骨な警告をメッセージにしていて、辛辣そのものを貫く展開にファスビンダーのブレない意思を感じ惹き込まれた。


出演者はファスビンダーの取り巻き軍団のような常連たちだが、その中に撮影時には愛人だった2人が含まれている。
モロッコ旅でのゲイ役でエル•ヘディ•ベン•サレムと花屋役アルミン•マイヤー。
そして、撮影時には離婚していたが過去に2年間結婚していた7歳上の元妻イングリット•カーフェンが歌手役で出演し歌っている。
公私混同なのか?仲間がバイセクシャルのファスビンダーを公認で応援しているからか?生命共同体のよう(笑)
そのお陰で今、私達は画面で確認し楽しませてもらえています。

ファスビンダーの世界をもっと知りたい欲求が深まりました。
4.3
邦題は「自由の代償」から「自由の暴力」に改題。ちなみに英語圏は「Fox and His Friends(フォックスとその友人ら)」。

主人公フランツ・ビーバーコップの名前の由来など他の方のレビューと重複するので詳細は省くが、ファスビンダー自身にとても思い入れのある人物の一面が投影されているのが分かる。

すでにファスビンダーは同性愛者であることを公にしていたが、いままでは本人のセクシャリティには若干の含みを持たせるぐらいではあったが、本作では直接的に描いていており、自身が同性愛者の主人公として出演している点なども絡み、ファスビンダー本人の人間関係を取り入れた私小説、もとい私映画のようでもある。背景には出自による経済的格差の縮図を描いており、戦後の西ドイツといえども偏見は根深くあっただろうし、当時の閉鎖的なゲイ社会を抉(えぐ)ったセンセーショナルな内容であった。

公開時は同性愛者団体から激しく糾弾されたようであるが、その中でフランツを演じたファスビンダーは中産階級の家庭でありながら、労働者階級で悲劇のゲイ青年を演じたことも一因としてあるだろう。自身もインタビューでは恋人役のオイゲンの方が自分に近いということを述べている。しかし過去作「聖なるパン助に注意」のようなプロデューサー役をファスビンダーが演じたところで面白味はなく、現場では暴君でしかない事実と逆転した被虐的なフランツ役の方がフィクションとして倒錯しているので、役回りや絵面としては適している。

しかしながら本当の意味において〝頂き男子〟とは一体誰なのかであれば、オイゲンよりも印刷所の経営が下手な父親であり、そして骨董品商を営みながら、その界隈の胴元でもあるマックス(カール=ハインツ・ベーム)ではないだろうか。それはラストの場面で野垂れ死んだ駅のホームで偶然に通りかかったマックスと共に歩いていた男は、フランツの元恋人のクラウスであり、次のターゲットとして彼を狙っている節もあり容赦のない結末であった。

フランツとオイゲンとの同棲生活シーンは育ちの違い(一張羅の選び方や特に食事のマナー)を対比関係として如実に炙り出しており、それはゲイコミュニティにおける裕福層と貧困層による出自の違いを生活面で差別化して描いているようでもあるが、客観的にみればヘテロ同士であってもあり得る資本社会の形骸化でもある。その誇張された露悪性に批判を受けたと前述したが、本作で歌手を演じた女優イングリット・カーフェンとの婚姻関係(2年後に破綻)があった過去の事実もあり、バイセクシャルであるファスビンダー自身の中にある無意識から生じたホモフォビアHomophobia(同性愛者、同性愛による嫌悪感)が、このような話を作ったのではないかという見方もあるのではないか。

撮影監督のミヒャエル・バルハウスの早撮りは、せっかちからなのか粗さも目立つが、基本的に記憶に残るショットは多く、スコセッシが惚れ込んだ理由も頷ける。そしてブリギッテ・ミラは宝くじ屋の叔母さんとして少ない出演であり印象には残った。そして旅行先で出会うエル・ヘディ・ベン・サレムも出演をしていたが、プライベートではファスビンダーの恋人であったが、ホテル側から拒絶されるカットは破局後のトラブルと収監中の自死を知っているので、偶然とはいえども将来を暗示しているようでもあり、何とも歯痒い場面でもあった。

ドイツの格言で「Den letzten beißen die Hunde」という言葉がある。これは直訳すると「最後の者が犬に噛まれる」という意味であり、徹底的に搾取されることを表しており、日本でいえば「骨の髄までしゃぶり尽くされる」という意味である。


「くじの後 散るこそいとふ 死にゆくも」


〈ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー傑作選〉
[Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下 19:10〜]

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