再び、立ち上がる。
生きて、希望になれ。
前作から16年後のローマ。
マキシマスの思いも虚しく、ローマは双子の皇帝に支配され腐敗していた。
ローマ軍はヌミディア国に侵攻、ヌミディアを守る為に戦った青年ハンノは、戦いの中で妻を殺され、自身も奴隷として捉えられてしまう。
ハンノは奴隷商人マクリヌスの目に留まり、剣闘士(グラディエーター)となって頭角を現してゆく。
ハンノは妻の死因となったマルクス・アカシウス将軍に復讐する為に、首都ローマのコロッセウム(大闘技場)で行われる剣闘技大会に身を投じる。
だが、アカシウスの妻で元皇帝コモドゥスの姉ルッシラは、闘技場で戦うハノンを見て、彼が自身の息子でルシアスである事に気づく。
更にアカシウスは皇帝の暴虐に耐えかねて反乱を起こそうとしていたのだ。
権力を狙う物の陰謀や、ルシアスの出生の秘密。
コロッセウム(大闘技場)で行われる剣闘技大会はやがて、ローマ中を巻き込む壮絶な戦いへと発展してゆくのだった。
全てを奪われた青年が復讐の為に、剣闘士(グラディエーター)として壮絶な戦いを繰り広げる、スペクタクル・アクション大作。
巨匠リドリー・スコット氏の代表作の一つ「グラディエーター」の正当続編。
前作が色んな意味で文句のつけようがない名作だし、幾ら監督続投とは言え、あれを超えるのは無理じゃね?と言われていた本作。
まぁ、ぶっちゃけ俺もそう思ってた。w
とは言えど、やはり大画面で泥臭い野郎の剣闘士バトルは楽しみたいぜ!って事で、サボり気味な自分を叩きなおして劇場に行ってきました。
…まー前作に比べるとあちこちで劣る所はあるだろう、それは否めない。
だがそれでも大画面で見るアクションシーンはどれも迫力満点だし、何やかんやで二転三転ストーリー展開も面白く、私的にはエンタメ大作として十分楽しめましたぜ!!!!
前作は「皇帝の所為ですべて失ったので、剣闘士になって復讐するぜ!」という、小学生レベルしかない俺の脳ミソでもすんなり入り込めるような王道復讐物語だが、今作はストーリー方面はやや捻ってある。
「家族を殺された男が奴隷から剣闘士になって復讐するぜ!」という件は殆どそのまんまだが、今作では主人公の秘められた過去やローマ帝国を巡る陰謀要素が描かれている。
「主人公が実は…」とか「全てを知り復讐の思いがローマへの思いに変わり…」とか「政府の混乱に乗じて美味しい所をいただこうとする野心家」等、後半のストーリー展開はかなり二転三転する。
正直、自分は歴史モノは全く詳しくないし、複雑な歴史のアレコレとかが描かれたら混乱しそうなので、そういう重厚な歴史ドラマが始まりそうになってどないしまひょ!?と滅茶苦茶心配になった。
しかし、それでも話は複雑にならず、主人公が王国の平和を取り戻す為に立ち上がる展開へスムーズに話がシフトしていってるし、悪いヤツもしっかり悪役ムーブしてるのでやはり心配は杞憂だった。www
って言うか今思ったんだが「本来の王の息子が戦士として帰還して王としての全てを取り戻す」って話、インド映画の「バーフバリ」でやってた話やん!!!w
そりゃすんなり後半の変わる展開もスッと染み入るわけだわ。w
役者に関しては主人公はちょっと知らん人だったのでそこは少々気になったが、登場人物はキャラがしっかり立ってる。特にデンゼル・ワシントンさんが演じる奴隷商人はかなり印象に残った。
(主役の人はこれからに期待かな、とりあえず個人的には閉鎖されたビルとか暴走列車とか旅客機内とかテロリストと戦ってる姿が見たいです。w)
そして何といっても、大画面で描かれる大スペクタクルな戦闘シーンやパワフルな剣闘士バトルは素晴らしい!!!!!
アクション演出はシンプルだし、CGやVFXを使った場面も多くなったが、それでも泥臭くてド派手なバトルが目白押し!!!
前作同様、序盤の海戦からテンションガン上がりするし、その後の剣闘士バトルもサルの群れやサイに乗った戦士、水上での海戦バトルに大規模な大乱闘等、アクションのシチュエーションやバリエーションが豊富で見ていて飽きさせない。
物がぶつかり壊れる時の響く轟音や、空を切る弓矢の鋭い音、血と汗と砂埃が混じり合い、肉弾がぶつかり合う剣闘士バトル等、アクション映画に肝心な”迫力”や”重量感”、”泥臭さ”もしっかり描いている。
CGやVFXも使っているが、しっかり泥臭いアクションに貢献するような「こういう使い方」なら全然おk、寧ろ大歓迎なまでありますね。
(序盤の合戦シーンで火薬爆破があるのも見逃せないポイント!!!)
久しぶりに映画館で、「モノホンを感じられる、大作アクション映画」を味わえて満足しました。
って事で何やかんやで楽しかったんですが、それでも前作に比べると見劣りする所が多いのは事実。
まずストーリーは相変わらずテンポが良いものの、今回は話が二転三転する分、ドラマの書き込みがややアッサリ目になってしまった感は否めなかったですね。
(前半は寧ろ将軍役の人の方に感情移入したりした。でもあんな雄姿を見たら主人公は遺志継ぐよねって納得はできるけどね。)
後、CGクリーチャー感の強いお猿さん軍団はまぁケレン味重視の為に仕方ないかなと納得は出来るんですが、私的にクライマックスの戦いがそれまでの盛り上がりに比べて若干地味に感じましたね。
というのも、クライマックスでは闘技場で大人数の戦いが展開され、国民も皇帝に反逆を起こしてあっちゃこっちゃで大乱闘するというどったんばったん大騒ぎが巻き起こるのですが、それらが余り移されずに逃げるラスボスとそれを追う主人公との荒野での一騎打ちに縺れ込んじゃうんですよね。
まぁタイトルが剣闘技(グラディエーター)なんだから仕方ないとは思いますが、それでもクライマックスでの闘技場でのしっちゃかめっちゃか大騒ぎはもっと長い時間をかけて描いて欲しかったですねぇ。
という事で、あちこちで多少乗り切れない所は感じたし、前作の壁が流石に馬鹿デカすぎると思う所はありましたが、それでも大迫力のエンタメアクション大作映画として楽しかったです!!!
公開から一か月近く経ってから言うのもなんですが、こういうド派手なアクション大作は大画面で見てこそナンボなので、前作予習して是非とも映画館へどうぞ!!!
不安になる人もいると思いますが、確かに完璧な一作目に比べると劣る所はあるけど、それでも続編として十分面白いから全然恐れなくてもいいよ、とだけ言っときます。