ぶみ

うちの弟どもがすみませんのぶみのレビュー・感想・評価

うちの弟どもがすみません(2024年製作の映画)
1.5
クセ強めな弟×四人の「姉」始めます。

オザキアキラによる同名漫画を、三木康一郎監督、畑芽育主演により映像化したドラマ。
母親の再婚により、再婚相手の息子四人と暮らすこととなった主人公の姿を描く。
原作は未読。
主人公となる高校生・成田糸を畑、再婚相手の四人の息子、成田源、洛、柊、類をそれぞれ作間龍斗、那須雄登、織山尚大、内田煌音が演じているほか、前田旺志郎、中島瑠菜、河村花、川島明、笛木優子等が登場。
物語は、冒頭糸が友人と別れるシーンでスタートするが、そこに登場するのが小湊鐵道であり、鉄道好きとしては何気にテンション爆上がり。
次には、笛木演じる母に連れられ、川島演じる再婚相手の家へと行く段となるものの、結果として笛木と川島が登場するのは、ほぼここのみと言っても過言ではなく、以降は基本、糸と連れ子である四人の計五人が常にわちゃわちゃした感じで展開。
そもそも、本作品を選んだ理由が、仕事納めのこの日、遅い時間でのレイトショーで何か観るものがないか考えていたところ、イオンシネマの月一クーポンが未使用だったことと、dポイントが失効間近であったことに加え、最近何かと畑が可愛すぎるということを巷で耳にするため、それを確認しがてら、イオンシネマのラインアップの中からチョイスしたという我ながら消極的なもの。
そのため、日頃キャストがお気に入りではない限り、キラキラ作品をほぼ観ない私としては、賭けに近かったのだが、見事惨敗。
突然家族になるという荒唐無稽な設定は、それはそれで面白く、特にそれがスパイスとして効いていた前半は何とか乗り切ったものの、後半に進むに連れ、既視感満載な恋愛ものに落ち着いてしまっており、全体的に無味無臭な感は否めず。
何より、序盤早々に、暑い部屋の中で男子が上半身裸になるというシーンがあり、これは女性をターゲットとしたサービスカットかなと感じ、許容範囲だったのだが、終盤にある高校の騎馬戦で男子全員が上半身裸というのは、その世界観に気持ち悪さすら感じてしまい完全に心離れた状態に。
と同様、これは原作を知っていれば、もっと深読みできたのかもしれないが、糸が基本家事全般を担う良妻賢母的なポジションで、男性は男性でご飯のおかわりを糸に託すという、いつの時代の価値観なのかと思わずツッコミたくなるものが散見。
前述のような荒唐無稽な設定は、それはそういうものだとして割り切れるものの、それ以外の部分での価値観のズレを埋めることはできず、騎馬戦も含め、この時代錯誤な設定を、本来のターゲットである若き女性陣がどのように受け止めているのか気になった次第。
リビングに置いてある扇風機が、何故か三枚羽根の古めかしいタイプであったことから、実は昭和の価値観とのハイブリッドなのかと勘繰ってはみたものの、終始引いた目になってしまったが、ラッキーなことに貸切上映であったため、「あのおじさん、畑目当てじゃね」みたいな視線を気にすることなく観ることができたとともに、目的の一つであった畑のビジュアルが好みでなかったことが判明し、少し前なら松本穂香か玉城ティナが主演でもおかしくなかったなと思いつつ、やはり私は同じ「めい」でも永野芽郁推しであることを確認できたことに加え、知らない間にキラキララブコメ界隈がヤバいことになっていたことに愕然とした一作。

お前ら、チョイスが独特じゃね。
ぶみ

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