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正体のunkoのレビュー・感想・評価

正体(2024年製作の映画)
3.6
死刑囚である鏑木慶一(横浜流星)を病院へ輸送中、逃亡した。姿や潜伏地を次々変え逃亡する鏑木を追う刑事の又貫征吾(山田孝之)。接触した人物を取り調べる又貫だったが彼らが語る鏑木の印象は殺人者とは思えぬものだった。鏑木が逃亡する理由とは‥。

原作は染井為人の同名小説。
2022年にWOWOW連続ドラマでも映像化された。

サスペンスドラマであり、ロードムービー。
学生時代から20代まで刑務所で暮らしていた鏑木は出会う人々と様々な経験をする。なぜ彼が逃亡したのか。シンプルながら感動する人も多いと思う。

物語は王道なので捻りはないが、警察とのやり取りや後述の演出等で楽しむことができた。
お気に入りポイントは工事現場で出会う野々村和也(森本慎太郎)が電話を掛ける一連のシーン。1歩1歩真相に近づいていく度に、態度丸出し、しかも怪我してて逃げることができない滑稽さが最高。ホラーっぽい演出になっていて笑える。
もう1つは安藤沙耶香(吉岡里帆)が父親と鏑木を重ねるタイミングで、鏑木もその言葉を受けていい顔をするところ。いやぁ~ここ泣きそうになった。

様々な容姿に変貌する横浜流星を楽しむことができ、道中・最期も感動できる灰汁のない綺麗な作品でした。
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