この作品に関しては、【内容はともかく、島田荘司ワールド全開!】という意見が多い気がする。全く自分が悪いのだが、綾辻行人と島田荘司を間違えたのが失敗の始まり。好きなテイストではなかった。
まず、ヒロイン常盤貴子を事ある毎に「娘」と言う違和感。実年齢52歳、舞台でキャミソールになり頭に花をつけて踊る。二の腕ぶよぶよ、膝は垂れ、ガッシリした背中は松坂慶子の晩年を思い起こさせる。お金という魔法をかけて顔には全くシワがないが、身体はやはり中年のそれ。秋山監督から見たら娘なのかも知れないかが、キャスティングミスは明確。本人は頑張っていたのが尚更辛い。
また、秋山監督と江戸川乱歩演じた高橋克典は「只野仁」でかつてタッグを組み物心知れた仲かもしれないが、高橋克典は59歳。やはり無理があり過ぎる。主人公演じる結城モエも両親から一人暮らしを心配される役柄だが、実際は30歳。。顔も綺麗だとは思うが、村重杏奈に似過ぎていて真剣な顔のアップは何故か笑ってしまう。その相棒として男に扮する小貫莉奈は23歳。なぜそこにLGBTが必要なのか意味不明。
低予算なのか、ロケしてもらいたいと思う場面は演劇の舞台&プロジェクションマッピング&オペラで強引に場面展開。たまに出るロケ場面でも、昭和初期には絶対に無い街灯の数々が映ってしまう。思わずスカイツリーは無いか探してしまった。
出来ないなら作らない勇気も必要ではないかと思わずにはいられない、そんな作品だった。