JunichiOoya

私は憎まないのJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

私は憎まない(2024年製作の映画)
3.0
2014年刊行の元本『それでも、私は憎まない』を読むと、「なんで今(になって)この映画が撮られたの?」の想いを強くする。

映画的工夫はさして見られず、最大のトピックたるイスラエル軍の砲撃、娘たちの死についてTVニュースショーへの偶然の同期、YouTubeへの世界的拡散は既に過去情報として見る者に共有されているのだし。

書籍の方は、1948年に始まるパレスチナへのイスラエル押しかけからの経緯、著者であるパレスチナ人医師(イスラエルの病院に勤務!)の妻であり惨殺された娘たちの母である女性の死、医師の両親、親族たちの来し方行末などなど、冷静緻密な筆致で説得力も生半可ではない。

それだけに、映画はなんとも物足りなかった。
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