ご機嫌な黄色

柔らかい殻 デジタルリマスター版のご機嫌な黄色のレビュー・感想・評価

4.5
どうすんねんコレ(褒め言葉)

登場人物全員にドン引き
嫌悪感をこんなに揃いも揃って演じられると溜息のつもりがタマシイが出ていった気がする
濃厚な残酷性と嫌悪は、グロテスクな天使の登場により物語に羽を与え、神聖みを帯びてぐんぐん天に昇りゆく
待って……
初めは何が「あ~~」じゃ😅と思ったけれど、
昇りきっての、「あ~~〜」で無重量空間に掘り投げられたみたいよ

気分とは反して画は完璧に美しい
秀作を幾つも描いて、切って貼って繰り返して、
定規もコンパスも当てたような絵画の連続
人の配置も、月も、太陽も
光も

少年の抱うる(登場シーンで彼は腕いっぱいのカエルを抱えている、そしてそれを死にやっている)恐怖を詰め込められたその土地は、見渡す限りの美しい麦畑
その先にはもう異界か、異界と同様の戦地しかない
島かと思っていたが、アイダホですか…
そのくらい、隔絶された原初の寓話かと
歓びは少年の無垢な残酷性にだけ付随し、
恐怖と醜悪と哀しみだけが満ちた根源的な世界で、
せめて若きヴィゴ・モーテンセンの歯の隙間からは希望の光がさしてほしいと願ったが…
オシリが輝いてただけだった……
どないすんねん(絶賛)
ご機嫌な黄色

ご機嫌な黄色