こなつ

366日のこなつのレビュー・感想・評価

366日(2025年製作の映画)
3.8
今年結成25周年を迎える沖縄出身のバンド・HYの代表曲「366日」をモチーフに誕生した物語。沖縄と東京、2つの都市を舞台に紡がれる20年間の純愛ラブストーリー。監督は、少女漫画原作の恋愛映画を多数手がけている新城毅彦さん。胸キュン映画の名手と言われている監督なので、この作品もキラキラ、キュンキュンした作品かなと思っていたが、物語は王道のラブストーリーだった。青春懐古の時間を堪能してきた。

沖縄で高校時代に出会った湊(赤楚衛二)と美海(上白石萌歌)は恋に落ちる。東京の大学に行った湊を追うように美海も東京へと行き、一緒に暮らし始めた。「365日じゃ足りないくらい、あなたを愛しています」そんな美海だったが、ある日湊から突然別れを告げられる。

湊にも事情はあったが、突然別れを切り出された美海の気持ちを思うとあまりに切なかった。真実を話してお互い向き合って欲しかった。彼女のために身を引こうと苦しみ揺れ動く気持ちを赤楚衛二さんが丁寧に演じていた。そんな湊に比べて、美海の幼馴染の琉晴(中島裕翔)の男気ある態度には感動。決して叶わない恋だとわかっていてもずっと想い続けて美海を支える優しく逞しい琉晴を中島裕翔さんが好演。上白石萌歌さんの透明感ある可愛らしさも沖縄の美しい景色の中で輝いていた。

本当に沖縄の海を満喫出来るロケーション。あんなに青々とした美しい海や空はあまり見れない。沖縄の方言が何とも温かくてほっこりする。美海の子供役の陽葵を演じた稲垣来泉ちゃん、可愛い。陽葵の幼馴染を演じた齋藤潤君も少し大人っぽくなった顔つきで出演している。

主題歌は、「366日」のアンサーソングとして制作された「恋をして」。歌が流れた時は胸に迫るものがあった。たとえ一緒に生きていけなくても出会った事がそれだけで宝物。「誰かを愛した、すべての人へ」贈られた珠玉の純愛物語。
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