【皆んな大人になった】
子供や少年少女の頃に想像した未来や、夢や、抱いた希望を僕たちは少しずつ削って削って大人になってきた。
10年ほど前、「進撃の巨人」は面白いよって友人に話したら、そうなの!?みたいな顔をされた。
壁の内側、洗脳、支配、無知、友情、犠牲、自由、広がる世界、対立、絶望、差別、武力、戦争…
様々な要素を散りばめ、今の世界をありもしない希望を安易に提示しないで表現・示唆した重い作品だと思う。
ただ、そこに示されたのは完全な絶望ではなく、人間は考え続けなくてはならないという示唆だ。
たとえ壁の向こうが希望に満ち満ちた世界じゃなくても、僕たちは目を背けてはならないのではないのか、見て見ぬ振りは出来ないのではないのか、そこに絶望があれば乗り越えなくてはならないのではないのか、そして、状況が好転しても再び絶望が訪れないように考え続けなくてはならないのではないのか。
漫画もアニメも最初からずっと読んだり観たりしてきて、途中でどうなることかと思ったこともあったが、よくぞやり切ったと感謝を伝えたい作品だ。
それにしても、皆んな大人になるなったよなあ。