【映画(館)から導かれるもの】
※監督登壇ティーチイン
“普通に” ドキュメンタリー映画だと思って臨んだら、良い意味で違った。
映画「枯れ葉」がロングラン・ヒットになったアキ・カウリスマキの映画館「キネ・ライカ」が出来ることに、何らかの幸せや想いを感じる人々のトークが、ありきたりのインタビューに導かれて出てくる言葉ではないのだ。
上映終了後のティーチインで、ヴィダク監督がジム・ジャームッシュの「コーヒー&シガレッツ」のような作品を目指したと言っていたが、またそれとは違う趣の素晴らしい作品に仕上がっていると思う。
ヴィダク監督はフィクション・ドキュメンタリーというようなことを言っていた。
映画や映画館と聞いて蘇る想いや思い出は人それぞれだろう。
にぎやかさ、わくわく。
心を鷲掴みにされたような経験、楽しかったことや、悲しかったこと、なんらかの困難を乗り越えたこと、大恋愛を思い出す人もいるだろう。
映画「キネ・ライカ」の中で日本語の歌が採用された篠原さんは大恋愛の末にフィンランドに移住した方らしい。
エンディング、バザンの映画とは何か?という問いに、ゴダールが生活と芸術の間にあるものというような答えをしたことが紹介されていた。
パンフレットを購入して、ヴィダク監督にサインをもらう時、これはバザンの問いに対するアンサーのひとつの断面じゃないかと聞いたら、そうだと。
日本の映画界の素晴らしさのひとつは、アキ・カウリスマキやジム・ジャームッシュ、そして、ヴェリコ・ヴィダクに大きな影響を与えた小津安二郎がいたことだろう。
小津安二郎を思わせるようなアングルもあるので、そんなところも楽しんでください。
ネットで繋いでティーチインも出来たが、是非こうして実際に日本を訪れて、この作品を上映する映画館に来てみたかったというヴィダク監督の気持ちにもなんか素敵な気がする。
是非。