まさ

どうすればよかったか?のまさのレビュー・感想・評価

どうすればよかったか?(2024年製作の映画)
2.5
宇都宮のミニシアター、ヒカリ座は36人の大盛況。老若男女、デートで来た10代のカップルも見受けられ、前評判の高さを実感。映画館の設備もあろうが、統合失調症の姉・認知症を発症する母親・声の小さい父親の言葉は不鮮明で字幕が欲しかった。

「どうすればよかったか?」。田舎の郊外の、見栄と体裁と少しだけ広い家が全ての、狭い世界で生きている普通の家族に見えた。家の中のイニシアティブを母親が取っていた頃は姉の病気を認めず玄関に南京錠を掛け、両親が年老いた後は弟が主導権を握り姉を病院に連れていく。多少姉の病気は改善するが時既に遅し。

「誰が1番犠牲者だったのか」を考えると、振り回された弟か。長年病院に連れて行ってもらえなかった姉なのか。

観客の鑑賞動機も気にはなる。単に話題になっているから、エリート家族の転落していく様を覗き見て「他人の不幸は蜜の味」的に楽しみたいのか、はたまたこの家族の悩みを自分事として一緒に考え解決策を見出したいのか。

いずれにしてもデート向きな映画ではないことはたしか。
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