黒人男女の痴話喧嘩ドラマとBBキングやバディ・ガイらのレジェンド・ブルーズマンの演奏とで構成されているが、勝手にBBらの演奏がメインでドラマは付けたりなのかと思っていたら、逆だった。
結構な料理をずらりと並べられて、一口ずつ試食させてもらった感じ。腹一杯食わせろや!
ドラマは、ブルーズの普遍的テーマである男女のゴタゴタや貧困などを具象化してわかりやすく見せてくれているのだろうが、音楽部分を削ってまで見せられたいとは思わない。それに、男の母親のインタビュー(彼女の弾くピアノの鍵盤が凄まじい状態になっていたのには驚いた)が他のミュージシャンのインタビューと同じタッチで、ドラマとドキュメンタリーの境界が(無論それを狙っているのだろうが)わかりにくかった。まあ、流石にベッドルームにカメラが入り込んでいるのに、それを気にせず喧嘩始めるカップルもいないから、ああドラマなのねと気づきはしたが。でも、そうなると最初の囚人たちも台本読んでただけなんかな、そういえばシャツもズボンも真っ白で綺麗過ぎたななどと要らぬ勘繰りもしたくなる。