目の前で消えゆく命に子を託された父の血の繋がりは無くともあまりにも献身的に我が子を思う気持ち胸を打たれる。子のイタズラが原因で仕事を失えど彼を手放すでもなく、お互い無くてはならぬ存在として深い絆で結ばれていく。ようやく得た仕事はかつて彼が走っていたレールを敷設する一作業員、ただライバル企業の策略と暴挙の中で子は犠牲となり両眼に重大なダメージを負う。我が子を救う為には一刻も早い手術が必要、だがその為の資金が無い父親が我が身顧みず下す決断と当然の裏切り。一度は降ろされた汽車に再び乗り込み炎の中走り抜けるダイナミズムとひたすらにドラマチックな展開を見事なリズム感のクロスカッティングが繋ぐ。幸福な結末にそっと胸を撫で下ろす、クライマックス前の欠損が惜しまれるが充分に傑作。