また、戦場へ来てしまった運の悪い奴!
ウォルター・ウェイジャーが上梓した『58 Minutes』(邦題:ケネディ空港着陸不能)を、レニー・ハーリン監督、ブルース・ウィリス主演により映像化したアクションで、『ダイ・ハード』シリーズの二作目。
妻を迎えるため空港にやってきた主人公が、テロ事件に巻き込まれる姿を描く。
前作は鑑賞済み。
主人公となる刑事ジョン・マクレーンをウィリス、彼の妻ホリーをボニー・べデリア、テレビレポーターをウィリアム・アザートン、警部補をレジナルド・ヴェルジョンソンといった前作から引き続きとなるメンバーに加え、ウィリアム・サドラー、フランコ・ネロ、デニス・フランツ等が登場。
物語は、冒頭マクレーンのクルマが駐車違反により空港でレッカー移動される様子でスタートするが、この時点で雪が降り、ツリーも飾られておりと、クリスマス感全開。
直後、怪しい男を見つけたマクレーンが職務質問したことをキッカケに銃撃戦がスタート、以降、マクレーンが孤立無援となる中、テロ事件と対峙していく様が中心となるのだが、と同時に空港の管制塔が乗っ取られたことから、妻のホリーが乗る飛行機をいかにして着陸させるかという航空パニックものとしても楽しめる仕上がりとなっている。
先日観たジャウム・コレット=セラ監督『セキュリティ・チェック』のレビューで、たびたび本作品のことが取り上げられているのを目にしたのだが、クリスマスに空港という設定は本作品と同様で、荷物仕分場においてベルトコンベアが流れる中でのバトルも似通っていたものの、基本空港内で話が完結していく『セキュリティ〜』とは違い、派手な爆発や銃撃戦、スノーモービルでのチェイスに前述のような航空パニックと、スケール感は本作品に軍配が上がったところ。
また、テロリストの一人が、どこかで見たことあるなと思っていたら、まだ駆け出しの頃とも言えるジョン・レグイザモだったのは見逃せないポイント。
CG夜明け前後の作品であるため、基本実写ベースであり、現在の作品とはまた違うリアリティがある反面、流石に模型を使ったであろうシーンがあったり、スローモーションの多用であったりと古さを隠せない部分があるのは否めないが、サスペンス・アクションの代名詞とも言えるような内容は間違いないものであるとともに、何を隠そう前作とは全く関連性のない原作が使われていたことが一番の驚きだった一作。
飛行機の翼の上で何をすりゃいい?