「レ・ミゼラブル デジタルリマスター/リミックス」
MOVIXさいたまのDolby Cinemaにて。今年10月に高崎電気館の爆音映画祭で観ている上に、映画も舞台も何回も観ている大好きな作品。
元々フィルムのような画質が特徴の作品だが、公開12年後にデジタルリマスター版が公開された上に、当時はなかったDolby Cinemaでの上映があるということで、さいたま新都心まで遠征して鑑賞した。
舞台に比べると熱意と迫力は半分以下しかないんだけど、ミュージカル映画としての完成度の高さには改めて驚く。曲調をおとなしくするすることにより、作品自体のテイストにミュージカルという要素がマッチするようになっている。
だから他のミュージカル映画に感じる「突然歌い出す」という要素を全く感じない。ミュージカル映画とはこうあるべきという礎にもなった作品だと思う。
さて、今回のDolby VisonとDolby Atomosについてであるが、どちらも想像を超えてはこなかった。映像に関しては、元の映像が微妙なのか、古い素材なのか、多少の粗さは目立っていたし、劇中多く登場する夜のシーンでも効果をあまり発揮していなかったように思える。
味があるといえば、聞こえはいいかもしれないが、いつもDolby Cinemaで感じているような圧倒的映像美を期待していたので、少し残念ではあった。
また、音響についても、僕が過去に立川の極音上映、電気館の爆音映画祭、IMAXで本作を鑑賞している故に、そこまで目立ったポイントは見つからなかった。
途中途中こんな音聞こえたっけ?という音を耳が拾うことはあったが、ラストの「Do you hear the people sing?」でいつもはハッキリ聴こえていたガブローシュの声がほぼ聴こえなかったので、僕の聴き間違いかもしれない。
本作における音響のポイントは冒頭の「Look Down」とバリケードを築くシーン、バリケードに攻め入られるシーンの3つだと思っているが、この3つとも今までの鑑賞の中で、一番凄かったとは思えなかった。
まぁ本当に大好きな映画だし、何度も涙が溢れてしまったので、評価は通常版の方と変わらないが、おそらくこの上映が一番完成された映画「レ・ミゼラブル」なのだろう。