イチロヲ

ドラキュラ血のしたたりのイチロヲのレビュー・感想・評価

ドラキュラ血のしたたり(1971年製作の映画)
3.5
魔女狩りを主導する厳格な叔父に引き取られた姉妹が、黒魔術により吸血鬼と化した伯爵に接近してしまう。"百合系ヴァンパイア"の古典「女吸血鬼カーミラ」を題材に取っている、ハマー・フィルム"カルンシュタイン三部作"の第3作目。

真面目な姉が若い家庭教師とくっつき、放蕩者の妹がオカルトマニアの伯爵とくっつく。すると、後者の伯爵が儀式で吸血鬼となり、ついでに妹までもパックンチョしたものだから、さあタイヘン。ちなみに、エロ成分は薄口となっている。

自分なりの正義を振りかざして、吸血鬼退治に邁進する叔父役をピーター・カッシングが熱演。魔女狩りを決行するときの「やってやるぞー!」という、テンションの高さが笑える。若い貴族の吸血鬼が暗躍するところも新鮮味があって面白い。

"姉妹、伯爵、叔父、教師"の各視点を切り替えながら、物語を紡ぎ出していく作風となっているため、単純に人間模様を楽しむことができる。ラストの着地点は予想できるが、定番のオチとして捉えればオッケー。
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